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吾輩は人間である [猫]

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吾輩は人間である。
名前はまだ無い。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でオギャーオギャーと泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて猫というものを見た。しかしあとで聞くとそれは狩人猫という猫中で一番獰悪な種族であったそうだ。この狩人猫というのは時々我々を捕まえて生で喰うという話である。何せ天竺の虎の仲間だそうで油断がならぬ、今では猫たちが町中闊歩している。
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夏目漱石の門弟に、二宮行雄という方がいた。夏目漱石資料館に文學師 二宮行雄の名刺が残る。資料館には同日石川啄木も漱石を訪ねて来たとある。この二宮さん大磯鴫立庵の14代庵主二宮松汀の長男にあたる。隣町平塚の出身。二宮松汀が庵主を勤めていた頃の明治末期に松本順がこの地で亡くなり、鴫立庵に埋葬されている。順は元軍医総監で幕府14代15代将軍の御典医であり、大磯に海水浴場を開いた大磯町の恩人。
不思議な繋がりが二宮行雄から浮かび上がる。行雄の妻は新撰組生き残り隊士のひとり川本三郎の孫娘にあたると言う。松本順は横浜に住む川本と交流があり、新撰組との交流も京都以来深く、新撰組ゆかりの地 日野に彼等の顕彰碑も松本順が建てている。幕末から明治へ無数の見えない糸が繋がっているのが見えてくる。
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この町に 二人の春樹さんと言う有名人の人間がいる。ひとりは島崎藤村、ひとりは村上春樹
さん。時代は違えど物書き業では共通する。村上さんが描いた 海辺のカフカ で猫と人間が対話を交わすシーンが多く登場する。物凄く自然に思えた描写。猫語辞典なども現代では人間界に出て来ているのではないか。しつこいが吾輩は人間である。
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コメント 4

漢

みんな……逞しく生きていますね!
by 漢 (2009-07-04 10:59) 

SilverMac

大磯の歴史は深いですね。
by SilverMac (2009-07-04 23:33) 

SILENT

漢さん
コメント有難うございます
ある意味人間たちより猫たちの方が
生命力がありますね
人間が滅びても猫たちは自活して行き延びられるそうですし
by SILENT (2009-07-06 08:28) 

SILENT

SilverMacさん
いろんな土地で歴史の深さは違いが無いのでしょうが
興味ある時間や人々の歴史が詰まっているんでしょうね。
by SILENT (2009-07-06 08:30) 

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