落花 [物語]
大磯は旧尾張徳川さんの別荘の前から眺められたであろう「こゆるぎの浜」の光景である。
この別荘内に住んでおられたのか徳川義恭さんの事が最近気になっている。
義恭(よしやす)さんは、若き日の三島由紀夫と「赤絵」という同人雑誌を発行し、俵屋宗達の研究をし28歳の若さで此の世を去っている。師に安田靫彦というこの町に住んだ画家がおられる。この地に安田善次郎の別荘があり、この地で亡くなった善次郎翁のために安田靫彦画伯は、藤原時代の趣をたたえた風土から暗示を受け 平唐門、校倉造りの経堂、観音堂等を設計している。その地を義恭も桜の頃訪れたという。
我が家に数年前の夏 花ひらいた蓮の花
思えば花は一瞬 花のないときのが長いことを知る
この季節 落花に出会うが 雨に打たれて妖艶な姿が多い
明治23年頃に切り開かれたという駅から海への近道となる切り通し 光の先に国道一号線が通り其所をまっすぐ下ると海は近い。
2010-07-06 10:51
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