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榺締(ちきりじめ) [樹]

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先週の土日、神奈川県は西部の足柄森林公園丸太の森まで、桧のテーブル造りの教室に参加して来た。畳み一畳程のサイズの天板を四枚の厚さ40ミリの桧板を繋ぎ、仕上げる教室だ。指導員の方の丁寧な説明と、現場の熱のこもった生徒さんたちの気合いで、無事に仕上がったテーブルは今家に運び込まれている。その作業の中で「ちぎり」という木の部品を埋め込み、板の割れをとめる機能や、装飾的な効果を与える、古来からあるであろう、締め方に興味を持った。基本的には蝶形の「ちぎり」のかたちが多いようで、何とも美しいかたちだ。
三色のチギリの素材は、左から、黒檀(こくたん)、タモ、欅。共に固い素材の木でその効果を発揮するようだ。

その言葉の説明は、小学館「国語大辞典」から以下のようにあった。家紋の「ちぎり」は平安時代から、既にあると云う。糸巻きを「ちぎり」と呼ぶことも始めて知った。
スクリーンショット(2011-11-07 10.28.46).png
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今回は七カ所に「ちきり締め」を三色の木を活かして制作した。仕上がりテーブルの全容は次回のブログで掲載予定です。
チギリのかたちを板に写す、ケ書きというカッターナイフで切り込みを入れる作業が最も神経を使った。後は鑿でチギリのかたちを彫り込んで行く。桧の香りが垂直に打ち込まれる鑿の刃先からあがって来る。
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天板の中央部分に三色のチギリを並べて完成。打ち込まれて余った高さは鋸を板に押し付けるように、浚うようにして切り取り、サンダーで天板表面を表面を平らにする。
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完成品の天板の側面にはサインを電熱ペンで描き込んだ。
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もう一方にも「丸太の森」の焼ごてで、和のイメージをさりげなく。
6組のテーブルが完成、皆さん雨に備えた養生をして車に積み込んだ。お疲れさまでした。
我が家にあった、長さ1m強の巨大な「ちぎり」糸巻きである。織物の縦糸を巻き取るには長いサイズが必要なのだろう。
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片方の割れを防ぐ為に修理した斜めに渡されたチギリ。榺に施された、もうひとつの榺。
紅き糸 榺の榺 秋の背に  未完
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kuni

千切りに千切り。粋ですね。
by kuni (2011-11-07 14:43) 

海を渡る

日本の古くから木の文化は素晴しいですね。
by 海を渡る (2011-11-07 21:02) 

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