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四月十一日 [言葉]

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四月のはじめ湘南は高麗山の麓を流れ、相模湾に注ぐ花水川の土手の桜を見た。染井吉野の樹木が花のトンネルをつくっていた。今は葉桜と後に続く八重桜や藤の花が蕾を開き始めているだろう。花冷えは今日も続き、一昨々日の都内の雪の日よりは、気温も高いが室温は、13度。
メールで出版社から紹介があった『知日』の編集長、毛丹青さん52歳が書いた日本体験記の一部を読んだ。昨夜は涙腺がゆるみ眠れなかった。美しい著者の日本語の語り部の世界があった。どうしてこんなに感動するのかという事柄は、日常にある世界を細やかに正直に語る著者の眼差しだった。中でも大阪の横断歩道を渡る、盲導犬と女性の話が印象に残った。鮮やかにその光景が浮かんでくる。たった数分にも満たない時間の出来事が最高の捉え方で書かれている。『虫の目で見た日本』毛丹青著 是非検索してください。桜の花のエッセーも秀逸です。

日本と中国は隣国である。人種的にも、地理的にも、交流の歴史のどれをとっても日本人と中国人は非常にちかしい。しかし両者はときには非常に遠くもある。1962年生まれの著者は文化大革命の後半期を『毛沢東語録』を暗誦してすごしてきた。のちに留学生として来日し、肉眼をとおし、また肌で感じる日本の現実を「虫の眼」として体験する。小さな視点からとらえるものは一つの民族の喜怒哀楽をうつしだし、二つの国を結びつける文章を導きだした。好奇心溢れる中国青年が、繊細な視線とゆたかな感性で、忘れられた日本の自然と文化の奥深さを再発見したユニークな日本体験記。『知日』の原点がここにある。

日本語版「知日」のユーチューブでの会見がありました。大変面白い世界です。いつか『知中』も読める世界がくるでしょう。『知日』とは、日本を知る世界です。『知中』とは中国という世界を、今、知るという世界です。
https://www.youtube.com/watch?v=xuYZE9CfP14
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