SSブログ

七月十六日 [空]

積乱雲2015.7.15..jpg
台風が近づいているせいか、積乱雲が地上から湧き上がり北の空一面を覆っていた。巨大な雲の壁が聳り立つ。近所の小学校の生徒の遊ぶ声が異常に近くに聞こえてきた。

『グンカン グンカン チョーセン』『イッポントッテ ハワイ』パシッ!!!

何か威勢が良いが何だろうかと耳を澄ます。『グンカン グンカン チョーセン』頭の中で訳してみる『軍艦 軍艦 挑戦』。??? 軍艦巻きに挑戦する子供 寿司屋の替え歌か?
軍艦巻きって、軍艦の姿からきているのだろうか。『一本とって ハワイ』トリスを飲んでハワイに行こう!って古いCMがあった。わからない 何なんだろうか。
最後のパシッで、子供達は盛り上がった。囃し立てる勢いが元気が良い。何をしているんだろう。答えはすぐに見つかった。ネットの中で。

検索用語に『グンカン グンカン チョーセン』と入力した。
軍艦じゃんけん とでる。ウイキペディアから以下
様々なローカルルールが存在するが、以下は基本的なルールの紹介である。
1. 二人で遊ぶ。
2. 手の構成はじゃんけんと同じ。ただし、グーは「軍艦」、チョキは「朝鮮」、パーは「ハワイ」と呼ぶ(ローカルバリエーション多数)。
3.まずは親決めのじゃんけん。「せーんーそ!(戦争)」「ぐーんーかん!」のかけ声(ローカルバリエーション多数)とともに、じゃんけんを行う。どちらかが勝つまで行い(あいこでもかけ声は変わらない)、勝った方が親となる。親はかけ声を担当する。
親は「軍艦」「朝鮮」「ハワイ」のうち任意の手をかけ声とともに3回出す。子も親のかけ声に合わせて任意の手を3回出す。これが1セットであり、以降繰り返される。ただし、1セット内の1回目と2回目の手は同じ。また、2セット目以降の1・2回目の手は、一つ前のセットの3回目の手と同じ。その間片手どうしを握り合い勝ったほうがしっぺをする。
しっぺで痛くなり負けるか。何回か勝ったほうが勝ちになるようだ。

なんと70年くらい前の日本ではやったジャンケンだという。平成の今の子供達は誰から習ったのかと驚く。我が家の息子たちは今は三十路を過ぎる年代、この子供達も小学校の頃やっていたよと家内は平然という。知らなかった。30年前の我が家の子供達が軍艦ジャンケンなるものをやっていたとは。記憶にない。そういう自分も子供の頃は軍人将棋なるものがあり、普通の将棋の駒でないゲームに参加したことを思い出した。 70年も昔のジャンケンが今も生き延びて
平成の子供達に遊ばれる光景に何か怖いものを見た。このジャンケンが強かな生き物のように感じられる。歴史の数々の事実は一つしかない。人間が歴史を語ると、その生まれや生き方で様々な歴史が語られる。

言葉の暴力というのは、今は死語になったのか。汚い言葉を平然と使う時代だ。
言葉の意味を探ると今につながる重い歴史もある。軽やかにジャンケンに興じる子供たちに、言葉の重みを知ってほしいと心底感じた。戦争ジャンケンとは何なのかと。自分自身も含めて。それらを差別ゲームとして禁じることだけでは解決はしない。その意味を長いことかけて問うて行こう。


nice!(21)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 21

コメント 1

sig

こんばんは。
軍人将棋はかなり昔におもちゃ屋で見つけて、懐かしくて買い、しまってありますが、このジャンケンは知りません。
SILENTさんもご存じないのに今に続いているということは、戦後の一時期、禁止されたことでもあったのでしょうか。不思議なことですね。
by sig (2015-07-23 00:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

七月十五日七月十七日 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。