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八月三日 [道]

旧東海道大磯宿の山王町松並み木付近の光景、江戸から平塚宿を経て、化粧坂の切り通しを通り、
松並み木が残る旧街道の風情は好きだ。彼方に高麗山のなだらかな稜線が見える。海から霧が立ち上る時、朝の誰もいない道の彼方から、江戸からの飛脚や、駕籠かきの急いで向かってくる姿が見える時にがある。無論頭の中での出来事なのだが、いつも思っているとそれが現実のように瞬間見えてくるから不思議だ。この道を多くの人たちが行きかった。箱根駅伝の走者も、赤穂浪士の義士たちも、アジアをはるばる長崎に着いた像の一行も。
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明治29年8月3日 画家の黒田清輝30歳は、大磯に遊び、久米桂一郎ら友人たちにも会して、松林館に滞在する。途中箱根に行き12日に大磯に戻る。海水浴に興じ、写生もする。28日帰京。
薩摩で同郷の海軍大将樺山資紀の写生や、鴫立庵の光景を油絵で描いたのも此のころか。

大正15年8月3日 1日から3日迄の三日間で、大磯署管内の野犬買い上げ136頭。此の数字は多いのか。放し飼いの犬たちが多かった当時は、飼い犬の犠牲も多かったろう。犬たちと人の関係も平成の今ではずいぶん変わった。街道をお伊勢参りに向かう一匹の犬の姿が頭に浮かんだ。犬は何々村から伊勢参りに行く旨の木札をぶら下げ、道行く人や街道筋の人々が犬に食事や銭を施して、伊勢詣りの助けをしたという。途中であった野良犬たちとはどんな反応を示したのか想像する。犬のお伊勢参り。昔そんな本を読んだ。


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