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八月十七日 [夜]

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朝のこない夜はない!
当たり前のことなのだが夏の夜は昼間の暑さに比べ歓迎される。
朝のこない夜と思えるのは、冬の長い夜の時間だろうか。
長い長いトンネルを抜けるとそこは一面の眩しい銀世界。
何かに耐え、耐え抜くことで明るい解放の世界に出られた時の喜び。
いつか遠い昔、鼻をつままれても判らないような闇に出会った。星もなく月もなく民家や町の灯りも一切見えない闇の世界だった。人の声だけが周りに聞こえ衣服の擦れる音や、足音の微かな気配が、自分を安心させてくれた。
最近の夜は明るい。明るすぎる空間にあふれ闇を忘れていた。
目を閉じても瞳の裏に色を感じる。
秋の匂いが部屋の片隅に感じとれる。
夜は思いにふけるには、心鎮めるには最適な状態だ。
中国でも日本でも婚礼は宵の口から始まったという。
一日の始まりが夕方からあくる朝にかけての時間が主役の時代があったという。
夜は神々の時間でも長く長くあった気がする。
魑魅魍魎が蠢く世界も夜だった。
闇と夜、いつから消え失せてしまったのだろうか。

昭和4年8月17日 湘南大磯の化粧坂魔の踏切、20余万円で地下道トンネルへ。かって大踏切と呼ばれ旧東海道が線路をまたぎ、箱根駅伝の選手も列車が通過する時は待ったという。牛が踏切で立ち往生し大騒ぎになったこともあるという。踏切には魔が潜むのだろうか。





     疾走する夏の兵士の闇の唄     無 音





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