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九月二十九日 [本]

紀伊国屋書店が取次店を経ないで独自の販売手法を試みたという。一般に返本率40%で書店の利益は、定価の20%だという。取次という大きな出版業界の仕組みが大きく崩れていっているのだろう。アマゾンという強敵も最初は、本の配送というリアルな世界で大きな壁を抱えていた。
リアル書店頑張れと言いたいが、今後は作者から直接本をダウンロードできる直結した世界が訪れるのだろう。間にあったものが消えていく社会。複雑化した世界が、よりシンプルな手渡しの世界へと繋がっているんじゃないかと思うのは自分だけなのか。黄金の田んぼで赤とんぼの番いが繋がっていた。極自然な光景なのだろうか。精巧な神の仕組みを感じてもしまう。

赤とんぼ.jpg











    赤とんぼ赤を取っても宙にあり       ムオン







昨日詩人の谷川俊太郎さんの言った話を聞いた。詩の朗読会で詩人に、若い母と娘さんが、「原発の事を詩には、谷川さんは書かれないのですか」と質問したら 「僕は詩人だから書きません。原発の事は政治家の仕事です」と答えたそうで、会場にいてこれを聞いた人は子供に何処までこの内容がわかるか苦しんだという。私は思う母娘が詩人とは何か?この言葉で一生心の片隅に記憶されたらいい話だと感じた。ある日詩人は「言葉なんてチャチなものです!言葉以前の世界がこの星にはずっと長く続いてきたのですから」その言葉が身にしみた。その通りだ。言葉がない時代の世界、もっと大事な世界だった。赤とんぼの言葉を聴いたみたい。  
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