十一月二十六日 [写真]
山陰の写真家、植田正治さんの作品から。1985年に原宿のパレフランスで買ったfnac Galeriesの写真カードから。ベス単のフード外しで撮った作品だろう、美しい光の滲みと、それでいて芯がしっかりある写真だ。当時の露出計だろうかドイツ製のものをヤフオクで求めてしまった。
ネットの当時の写真雑誌にその露出計は定価5万5千円とある。1970年代初頭、大卒初任給で4万961円とのことです。現在の1/5~1/6くらいでしょうか。トヨタセリカは、570,000円。
とすれば、この露出計現在だと25万円。贅沢品ですね。
国産の高級カメラも同額くらいだったとも聞きました。今から約45年前確かに今とはものの価値観が違います。でも確実に変わった世界の変化を考えてみました。
この露出計の重さは180グラムあります。大きさも掌に乗るサイズですが、ポケットの入れるには嵩張るサイズ。皮のケースと樹脂製の本体でできています。40年後この会社の製品は、デジタルの露出計となり重さも40グラムになりました。価格は約5万円。重さは五分の1近くになった上にサイズも三分の一クラスで掌で包めます。機能は露出を図る以外に、温度計やタイマー、時刻表示など盛り込まれています。素材も強化プラスティックだからこの軽さなのでしょう。
約40年で、重さもサイズも機能もこの変化、それがスマホが登場して驚く変化になっていました。
スマホのアプリで沢山の露出計が見つかります。スマホ本体の重量を除けば、アプリの重さは0g。
おまけにサイズは、スマホの中で収まり、無料のアプリも沢山。機能は露出の測定から、その記録、記録場所の地球上の位置、時間まで一瞬でアプリに残してスマホ画面に現してくれる。凄い時代になったものです。
つくづく目の前の45年前の露出計を見ながら考えました。アプリは数年使ってもスマホに傷がついても、アプリ自体には傷もつきません。モノとしてある露出計には傷もつき、45年間誰かが使ってきた履歴の存在感が歴然としてあります。アトムで構成された露出計。ビットで構成されたアプリの露出計。この二つを見ながらIoT(Internet of Things)モノのインターネットってこんなことなのかとふと思う朝でした。
秋の虹心の奥にかかる朝 む お ん
2015-11-26 11:01
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モノとしてある露出計には、それに歴史が刻まれ、
スマホ上の露出計は一瞬で世界とつながる。
ちょっと考えちゃいますね
by スミッチ (2015-11-26 21:15)
第三の革命なんて本をずいぶん前に読みました。今は第四次産業革命の時代なんて凄い時代ですね。でもモノが世界から消えるわけでなし、情報公害に合わないよう努力するのが先決ですね。コメントありがとうございました。
by SILENT (2015-11-27 10:23)