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3月21日 [月]

「朝鮮と日本に生きる 済州島から猪飼野へ」金時鐘著を読んだ。2015年大佛次郎賞を得た本だ。
今日、世界遺産(自然遺産)の島として観光やゴルフで有名な済州島で、1948年4月3日から1954年9月にかけて何が起こったかを知る人は少ないだろう。私もまた、事件とも蜂起とも共産暴動とも呼ばれ、今なお韓国(朝鮮)最大のタブーとされるこの出来事について、ほとんど知るところはなかった。それには戦前の日本の植民地政策が深くかかわっていた。この一冊でその歴史的経緯や意味がすべて理解されうるわけではないが、そこにそういう問題があった(今もある)ということを気づくことはできる。

そして四月三日からの四三事件を映画化されたものも話題になったようだ。多くの犠牲者はその数の多さでなく、島の歴史と同じ国民同士の殺戮の悲惨さにある気がする。歴史の事実の全てはいつの世もわからないが、そこに触れることが少しでもできる本に出会えたことには感謝をしたい。
1年前に図書館で購入された本なのだろうが一年間読まれていなかったように見事に新本のままだった本の表紙が、何かこの本の存在を表しているように思えた。

真昼の月.jpg

  春の空真昼の月の貌しろし   むおん

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  名も知らぬ花の下なる春の影  むおん

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