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6月23日 [写真]

子供の頃、台風が来ると木造平屋築70年の我が家は、雨戸を閉め、中と外から十字にたすき掛けの板を渡し、風で雨戸が吹き飛び、家の屋根が吹き飛ばされないように中から補強した板を押さえて一晩を明かした。雨戸は杉の薄っぺらいもので節穴だらけだった。台風一過青空に朝日が差すと、節穴から窓の磨りガラスに、小さな倒立画像が映し出された。家の暗がりが部屋中カメラオブスキューラの暗箱になって、節穴からは一直線の光線の筋が美しく注いでいた。

そんな遠い日の記憶を、百年ほど前に作られたコダック社のベス単というカメラが思い出させてくれる。黒いエナメル塗装に金属の古びた存在。日本では、大正時代の頃、アメリカで生産され世界の人に愛された。シンプルな構造。ファインダーも綺麗に磨くと光り輝くような存在感を放つ。どれだけ多くの人の手を渡り、レンズは記録をしてきたのだろう。癒されるカメラだ。

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拝啓あなたが見た夏の光と影に乾杯。

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紫陽花の花びら数え明日へゆく むおん


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majyo

台風が来る前は父が補強の大工さんしていましたね
そして川を見に行く
運河でしたから潮位が関係しています。
何事もなく終わるのですが、なぜかワクワクした覚えがあります
今はサッシとなり あの頃の事はたまに思い出します
by majyo (2016-06-23 19:49) 

SILENT

majyoさま
台風がやってくると、子供の自分は大自然のドラマが始まるような気分でした。大人になって崖崩れで亡くなった方のニュースや記事を見ると、崖崩れの跡の土の臭いや、濁った山からの水を思い出し痛切に感じます。
by SILENT (2016-07-01 07:13) 

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