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5月21日 [花]

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旧吉田茂邸まで散歩で出かけた。薔薇を愛した吉田茂元首相は、倫敦滞在中にその美しさに惚れたのだろうか。大磯の自宅の薔薇園の薔薇は、ロンドンより香りが薄いねと、話されていたそうだ。最近そのバラ園の小さなものの復活があり、ゆかりの薔薇たちが丁寧に手入れをされ咲き誇っている。我が家で唯一の薔薇のプリンセスミチコは、ハマナスの花に似た濃いオレンジの花弁が特徴だ。


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5月20日 [かたち]

赤芽の葉が色づき、そのかたちをみると、唇のカタチに見えてくる。赤という色とカタチからくる連想か。白い紙の上に唇が並ぶ。昔、赤い色は魔除けの色だったという。赤は内蔵の色、皮膚をひっくり返し魔除けの仕草で、魔は去って行ったという。
赤い口紅に緑の補色を対比して口元を鮮やかに見せた浮世絵の時代もあった。

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唇を並べて立夏の物語 無音




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5月19日 [世界]

京都こころ会議の続きから。古代から人々は仮面を被り、その仮面の表は神が顕れてきたという。
しかし現代の仮面は、自分という内面を隠すものになったという。顕われることから、隠すことへ、典型的なのがサングラスだろうか。目の動きや表情を隠し、誰の顔かわからなくする。顔を布で覆い目だけを見せる人々もいる。仮面は何かに憑依する世界から、己を匿す世界へ移った。

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こころの古層として、アニミズムという、人間と「もの」との間にある深いつながりが今も残っていると、京都こころ会議では発言されたという。日本人に今も強く残る能力。ゆるキャラという、くまモン、ふなっしー、等にもアニミズムの感覚が濃厚だという。ふなっしーは、梨であるのに、語りかけたり、飛び跳ね、皮肉を言う。

日本で戦後最初にヒットした「リンゴの唄」は、「リンゴは何も言わないけれど、リンゴの気持ちは、よくわかる」とアニミズム的だという。

もっとプリミティブになると、私の祖先は犬だった。私は鸚鵡だった。といった異類婚等や神話にもつながる。能面の猩猩も、中国の架空上の動物が水の精になてったものだという。

人が言葉を使い出した遥か昔から、大人が石を蹴るのを見て、子供が「石が痛がる」と言ったり、石が痛そうにしているかのようにふるまったりとかがある。アニミズムは言語以前と言語との境目にふれる存在であるという。

オノマトペという日本では多い表現も、何かにアニミズム的な気配を感じます。音と言葉の接近を、ものが語るように感じるからです。さらさら、しとしと、ひそひそ、パラパラ、どんどん、びよーん。

今朝はこの辺で。

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猩々と河童と話す十字草 むおん






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ぴちゃぴちゃと五月晴なる天下した ムオン




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5月18日 [いのち]

メダカの子供が、卵から孵った。体長3〜5ミリの命が水の中を泳ぐ。盛り上がるような水面の下、命の震えが大海のような水面に、さざなみを起こす。命は絶えず動いている。不思議。透けた体を細胞が動くのが見える。今朝は快晴。昨日は走り梅雨のような雨。



水草の色に染まらずメダカの子 無音




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口開けてメダカ吞み込む初夏の空 無音




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透明なメダカに黒き大目玉 無音



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掃除機が吸い込む夏へメダカの子 無音



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5月17日 [花]

こころはどこから来てどこへ行くのか 岩波書店刊で、河合俊雄さんが、日本の内面化の特徴を「ミニチュア化」と名付けているのが興味深い。
庭園や茶道、盆栽や生け花など、自然を加工し、サイズを小さくして内面化することが進化してきたと言います。

私の俳句の先生は、俳句の中に遠景、中景、近景の描写がどう配置されるかを常々気をくばるように言われます。浮世絵では極端な近景と、隣りに遠景が来ることで西洋にないインパクトのある世界が生まれました。現代では超広角レンズでこの世界は不自然に思えないほど目にします。
ミニチュア化された世界は、自然との決定的な分離や否定、さらには自然の支配は行わないけど、内面化で、こころを象徴する世界を築き上げてきたと河合俊雄さんは、いいます。

京都の街には狭い間口の奥深い家がありますが、間口の経済的な問題でなく、ある種隠されたものが、そこから死者たちの還っていく遠くの山を仰ぎ見てつながることもできる世界といわれます。

ブログに花の写真を多く載せる方が多いのも、日本人のミニチュア化された世界の現在形でないかというきがします。食のレポートの画面も同じようなミニチュア系では。日本では食玩という技術も世界に誇ります。

そういう自分も子供の頃、「ガリバー旅行記」の絵本がすきでした。ガリバーより小人達の世界のが興味深いものがありました。


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箱庭に行水する人遥か下 ムオン





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5月16日 [アート]

指先が時計回りの渦描きます。今北半球の地球にいるからでしようか。指先に筆を持ち紙の上に静かに落下させると、紙の表面を指先が回転を始めます。右回りが9割、飽きると反動で左回りに回ります。
そんな軌跡の跡が今朝も残りました。

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年輪は夏の来歴刻む渦 無音



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卵時間で買う夏の蜘蛛 無音





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5月15日 [花]

岩波書店の「こころはどこから来て どこへ行くのか」を読んでいる。目から鱗がポロポロ落ちるようで、痛快な本だ。中沢新一氏の、ブリコラージュの話が面白い。常に古い資材を再利用して、組み合わせを変化させるだけで、新しい神話を生み出す。芸術に関しても同様にブリコラージュが働き、進化の過程で大活躍してきた。

進化は、新たな特定の機能を生み出す度に、新しい特別な分子を創造するのではない。
手持ちの遺伝子をその時々でわずかに違った様式で繰り返し再利用しているだけである。

すべての生物が、自分の細胞や脳の中で見つけられる出来合いの素材にブリコラージュを施す事により、新しい機能を引き出してきたそうです。

ブリコラージュとは何か?興味がつのります。image.jpeg

下條信輔さんの、色の来歴という話も、面白い。
仏教でいう、因縁に近い話なのだそうです。
人の目が、色を感じるとは、長い歴史があります。
人の顔を見て、その肌色に潜む情報の下りでは、なぜ顔には毛髪がなくなったのかと話が続きます。
顔認識が拡まる時代。
花の顔も何か不思議に見えて来ました。

常々「見立て」という言葉が気になっていました。ものに、人が感じる能力。見立てと、ブリコラージュよく考えてみたいと、思うようになった本でした。

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があべらの立夏の空を共に観る 無音




5月14日 [花]

先日賑わう横浜中華街の街路樹の花を見上げた。新緑の葉の影に光の花が咲いている。白い十字の花弁に濃い黒いラインが混じっている。大勢の人々が行き交う頭上の花を眺める人は少ない。後から横浜中華街の街路樹の白い花と、検索して『栴檀』と出てきた。中国では馴染みの木なのだろうか。秋には小指の先大の黄色い実がたくさん実る。

 
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   雑草も仲良く咲きて夏を待つ  ムオン


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遍界不曾蔵(へんかいかつてかくさず)という言葉を思い出した。道元の言葉として記憶しているが

世の中も 神様も 何も隠してはいない。
気づけば観える 感じれば いつもそこにある。

ということのようだ。明日の世界も耳を澄まし、目をすませばわかってくるという世界でもあるのだろうか。見えているのに見えないもの。見えすぎて見たくないと見ていないもの。
遠い世界より、今の世界を深く見ることが大事だと思うのです。


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  格子柄の先を曲がれば夏本番   ムオン


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  野の花を格子に活ける暑さかな   ムオン


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   皇帝のダリア差し上げますと夏の庭   ムオン







5月13日 [アート]

アートの始まりはなんだったのか興味がある。
紙に筆で何か自動的な刻み込みをすると精神が落ち着く。
ひたすら無我の境地で筆を走らせる。




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湯気夏の記憶へたなびかず むおん





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5月12日 [光]

横浜中華街と、山手の近代文学館で夏目漱石没後100年展を拝観しました。
帰りにガチャポンをすると、迷える子 ストレイ、シープと書かれた缶バッジが当たりました。漱石作品の何に出てきた言葉でしようか。
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三四郎薔薇の迷子に夏といい 無音



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迷子札代わりのスマホ見て涼し むおん


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紅い龍初夏の坂すれ違う 無音


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点心の皿宙に舞う支那の夏 むおん



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