近所に昼顔が咲きだしたので一枝拝借。鳥籠の中に放った。羽を広げ薄紅色の昼顔は恨めしそうに外を眺める。竹の格子の向こうとこちら側はひっくり返れば、中が外、外が中の世界。
籠の鳥薄紅色の夏となる むおん
花みれば檻消えたりし初夏のひと むおん
昼顔の格子の影に夏光る ムオン
鉄格子の中の女死刑囚の夏 ムオン
飴玉一つもらい花開く夏 ムオン
サミットも囲いの中のセコイ夏 ムオン
禁断の花弁食べしは夏狐 ムオン
天から昼顔へ催促状の下る夏 ムオン
籠の花向こう側にも夏がある ムオン
銀花とう香りの花の夏の宵 ムオン
籠を開け花びらはなつ夏花の鳥 ムオン