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5月30日 [言葉]

言葉と文字と、其の関係は面白い。本音と建前のような距離感を持つのか。
図書館で借りた、「日本語を作った男 上田万年とその時代」山口謡司著 集英社インターナショナル刊を読んだ。

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数年前から、地元で古文書の解読会に参加している。江戸から明治、手書きで書かれた文書の読み方と、方言、その意味内容に、今との隔たりを感じる。言葉はなぜ生まれ、それが言文一致の世界を目指したメカニズムがこの本の中で、よくわかるような気がした。

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印刷の普及が、日本語のなかの共通語の世界へと、拍車をかけ、手書きや、話し言葉の曖昧な世界から、共通の伝達精度を高める世界へ、移行したのが何故なのかよくわかる。

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森鴎外と夏目漱石二人が時代に求め、未来に託した世界が何か切ないほどにわかる。取り残されることを承知の鴎外のが好きだが、近代や現代は言文一致の世界をめざし、文字は視覚言語の世界に移行。
言葉は意味よりも記号の度合いをより強めている気がする。
現代は、言葉も文字も超えた、新たな日本語の世界に突入しているのかもと感じた。


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