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8月25日 [俳句]

芸人と俳人  という又吉直樹さんと、堀本裕樹さんの新潮社刊の本を読んでいる。
鎌倉の吟行で、又吉さんが詠んだ句

蟻進み参拝後だと悟りけり

が、気になった。俳人の堀本さんは、この句を推敲して

参拝を終へたる蟻かすれ違ふ


とした。鎌倉の寺の苔むした石段で参拝の為、寺へと向かう作者、足元の蟻の向かうのは、寺から反対方向。蟻を擬人化して参拝した人と見立てた。
命あるもののすれ違いの瞬間。

遂行された、すれ違ふという、下句が好きだ。


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本のタイトルの、芸人と俳人という、言葉も興味深い。芸人の仲間に、俳優という言葉がある。俳優の俳は、俳人の俳と同じ。俳とは、人に非ずと書く。俳句は俳諧といった時代があった。俳諧の連歌というものもある。

連歌とは何か、短歌とは何か、長歌とは何か。歴史を遡り、人が唄を求めた頃を想う。


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新聞で、赤と緑の話を読んだ。この2色は極めて近い色なのだそうだ。植物の緑の元になっている葉緑素と、動物の血液の色素のヘムは、化学構造はそつくり、中心のマグネシウムか、鉄かというちがいだけ。

物理学的に、葉から反射される光と、血から反射される光は極めて似る。

犬や猫は、赤と緑を識別出来ないが、人間や霊長類は、識別出来るという。
其れは森の中で赤く色づいた木の実を識別したり、お互いの顔色の微妙な変化も読むことが重要になつたからだという。

赤と緑、不思議な関係だ。福岡伸一 生物学者の動的平衡から



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植物の緑の秘密と、動物の血縁の赤、
何か神秘を感じます。


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  唇の上は紅下は満綠    ムオン



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