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9月15日 [世界]

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ブランド考

今もライセンスビジネスという世界は存在するだろうか。
昔アパレル業界の仕事をしている時に、欧州や米国のアパレルブランドと契約し、1ブランドで年間数千万円からのライセンス料を支払っていた。
日本がバブル経済に陥る前の話だったと思う。
契約先の元ブランドは、直営店や、直営工場を持ち、そこで製作されるアパレル商品のオリジナルの他に、ライセンス料を取って元ブランドのイメージで製作し販売するビジネスをしていた。

あるブランドの国内ライセンス商品を、一同に並べたら冷蔵庫からコタツ掛け、魔法瓶にコーヒーカップ、マフラーからコートまでの衣料品、風呂敷、家電製品や文具に学校の制服まで、あらゆるものが対象になり織りネームや、ロゴマークが付けられていたという。

生活が異なり、人間の体型まで違うのに無理やりのライセンスビジネス商品が溢れていた時代。
今から見りゃ、おかしい世界だが似たような世界は今もある。テレビや新聞ネットの世界でもライセンス的な情報は溢れつくしているのではないか。
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当時、膨大な宣伝費と、年数回のコレクション発表で、世界のひとにぎりのセレブ達に満足を与え、そのおこぼれのようなライセンス商品が日本でもオリジナルより格安の値段で提供されていた。

日本でもバブル景気に沸き立つ頃から、欧州から米国からの直営店の進出が始まった。初めは百貨店内の一等地に作られた店舗が、大都市の一等地の路面店に巨大なビルとして進出した。

バブル景気の頃から、百貨店の衰退が始り、専門店やセレクトショップなる商体が幅を利かし、コンビニも数を増やしていった。ストリートファッションが先端を行き、クチュールブランドはより現代の感覚へと吸収されていった。

百円ショップから、コンビニエンスストアー、量販店、百貨店、ネットショップ迄さまざまな形態の店がならぶ。

ライセンスビジネスの商品が溢れた時代。それは背伸びをした時代だったのだろうか。または一億総中流と錯覚ができた時代だったのだろうか。

ブランド直営店の進出で、欧州や米国のブランド戦略はライセンスをやめることが多くなった。直営店のイメージを守ることと、ライセンス品が時代に会わなくなったのだろう。

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アジアの国々では、今でもコピー商品が溢れる。アパレルに限らず衣食住の全てにコピーが当たり前の世界。

本物とは何か?コピーとは何か?ライセンスとはなんだったのか?
これからのIT世界でも、オリジナルとライセンスとコピーはカタチを変えてある世界なのだろう。

階級社会の象徴としての高級ブランドから、自販機で買うようなユニクロ商品の戦略まで、時代の流れを実感した朝でした。

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