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10月29日 [花]

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路上一面の白い小さな絨毯が今朝あった。
霜には早い、まして雪でもあるまい。
暗がりに一面ひろがる白きものの正体は、花だった。星の様な数々の花は、柊の様な濃い緑の葉蔭からこぼれ落ちた、銀木犀の花だった。

金木犀の花は今年も終わり、あの強烈な香りに引き換え、銀木犀の花の香りは控えめで上品だ。
花も例年12月近くに咲いていた。秋が毎年短くなり夏からいきなり冬の気配の花なのか。

路面に散った花の姿を見て、落下の地図を頭の中に描いて見た。金木犀の落花、椿の落花、薔薇の花弁の落花、様々な季節の落花達。その落花達だけの花の地図、面白そうだ。

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銀色の雫したたり冬がくる むおん


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10月28日 [色]

路地裏で鮮やかな柿の葉を、拾いました。
奈良へ出張で出かける際は、柿の葉寿司を京都駅の近鉄乗り換えホームの売店で買ったことを思い出した。深い緑の柿の葉は、少し分厚くて手で摘むとしっとりとした感触が伝わった。塩漬けにされていた葉のためか意外と柔らかである。葉を取り去ると、鯖と酢飯が程よく表れる。柿の葉に乗せたまま寿司を口元に運ぶ。車窓から薬師寺の塔が間近に見えて遠ざかる。
何個か寿司をつまみ、ふと柿の葉ごと口に入れたい衝動が起きた。葉は分厚いがしなやか、よく噛めば消化もするだろう。蚕のような気持ちになって少しかじった。お茶の葉の様な、桑の葉のような、然しか正真正銘柿の葉で、硬い葉だ。
葉を叩いてなめしたような葉なら、又食べたくなるかもと思いながら口に運んだ。
その後何度も好物の柿の葉寿司を食べたが、葉ごとたべたあの一個の味が忘れられない味だ。


柿の実同様に紅葉する、柿の葉は美しい。
桜の葉も紅葉が綺麗だが。



もがり笛柿の葉舞し法隆寺 無音


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