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11月15日 [色]

夜の東海道、国道一号線大磯、化粧坂付近
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  静けさをレンズの中へ秋深し 無音


10月28日 [色]

路地裏で鮮やかな柿の葉を、拾いました。
奈良へ出張で出かける際は、柿の葉寿司を京都駅の近鉄乗り換えホームの売店で買ったことを思い出した。深い緑の柿の葉は、少し分厚くて手で摘むとしっとりとした感触が伝わった。塩漬けにされていた葉のためか意外と柔らかである。葉を取り去ると、鯖と酢飯が程よく表れる。柿の葉に乗せたまま寿司を口元に運ぶ。車窓から薬師寺の塔が間近に見えて遠ざかる。
何個か寿司をつまみ、ふと柿の葉ごと口に入れたい衝動が起きた。葉は分厚いがしなやか、よく噛めば消化もするだろう。蚕のような気持ちになって少しかじった。お茶の葉の様な、桑の葉のような、然しか正真正銘柿の葉で、硬い葉だ。
葉を叩いてなめしたような葉なら、又食べたくなるかもと思いながら口に運んだ。
その後何度も好物の柿の葉寿司を食べたが、葉ごとたべたあの一個の味が忘れられない味だ。


柿の実同様に紅葉する、柿の葉は美しい。
桜の葉も紅葉が綺麗だが。



もがり笛柿の葉舞し法隆寺 無音


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10月25日 [色]

柿の実がふたつ、テーブルの上にあります。
その触れ合うような距離の隙間から、射し込む秋の日差しと柿の色が美しいのでスマホでパチリと撮りました。丁度一年前の今頃です。SNSでは、自動的に一年前の写真ですと表示してくれます。
すごい世の中ですね。

ライフログLIFElogという言葉も凄いですねー。生まれてから死ぬまで自分の見た記憶や、聞いたこと、行動したこと、考えたこと、食べたこと、悩んだこと、喜んだこと、体験したことのすべてが記録できる時代。超管理社会なのか、人間解放の社会なのか、そのどちらも何でしょうね。

未来は柿と柿との間ほど狭いような気もして来ました。

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近ずく二つの柿なのか、遠ざかりつつある柿なのか、光は問いかけます。

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滲みと、甘さが好きですね。曖昧さを大事にしないと、ロボットたちに負ける時代が来ています。

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8月03日 [色]

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蔦の葉が秋色に染まっていた。緑は信号では進め、赤は止まれ。
散歩の途中緑の中に目立った警戒色の赤を見つけた。

泥大島の反物を染めたという時に使った、桜の木の板締め擦り用の板の上に蔦の葉を落とした。
バーコードの線のような板は、染料を吸って黒く輝いている。
闇の上の赤のように発光するツタの葉。
闇に浮かぶ葉脈は、自分の目でなくカメラのレンズが捉えた世界。

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増幅するビットの世界がツタの葉から離れてモニターの中に。
赤と緑のピクセルがモニター画面の中から発光する。
光のないピクセルが赤を浮き立たせる。

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自然から離れた赤が、デジタルな赤の信号となって画面に浮かぶ。

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 深みのある赤は大地に染み込むようにそこにあるだけ。この赤のデジタル画像はいつの時代まで存在できるのか考える。ハードウエアーが消えてもデータはどこかに存在できるのか。
人の思考も、経験もいつか記録されたデータとして呼び出せる世界がくるのだろうか。
すべてが残り、消えない世界は、何か窮屈な気がする。人類の叡智が結集され活用され、新しい様々な知性が誕生する世界。そしてその対極を目指す世界。どちらもアリなのだろう。
この一枚の蔦の葉が、どう見えているかは、様々な生物で違う。

その有り様は、長い歴史の必然性と偶然性の組み合わせによって生まれたのだろう。

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葉の上の赤と緑の分布を見ながら、その世界の中で行われている不思議を感じる。
国境のようでもあり、人の善悪の断面図のようにも見える構図。

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  風の音が窓の外で強く唸りをあげるように聞こえた。その後の静寂のが長いのに、耳の中には、今聞こえた風の音が残っている。人は絶えず耳を澄まし、眼を見開いていないことがよくわかる。
すべての刺激に反応していたらたまらないストレスになるだろう。

 窓の外の木々の葉がかすかに揺れている。まるで古代からそこに気が合ったように思えるのは何故なのだろうか。蔦の葉が、次に吹いた風のために舞い上がり、古代に向かい飛んで行った夢のような世界を思い描いた。

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   夏風に乗って古代へ言の葉は赫    ムオン








8月02日 [色]

夏には淡い水色の世界が涼しい。藍染の色は何か水を連想させ冷たく透明感のある世界を感じる。その青の階調の色の種類は、美しい呼び名が多い。

浅葱色(あさぎいろ)、水浅葱、花浅葱、納戸色、新橋色、水色、天色(あまいろ)、群青色、秘色、瓶覗、藍色、薄藍、濃藍、青藍、褐色、青褐、褐返し、藍鉄色、藍錆色、縹色(はなだ色)、薄縹、淺縹、瑠璃色、紺瑠璃、鉄紺、茄子紺、紫紺、勿忘草色、露草色、薄花桜、紫苑色、花色、薄花色、などなど
なんと数の多い青の色名達だろう。

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青という名は、古代暗いという意味を持っていたようだ。古代の色は、光を意味するものから始まり、明るいを表す色は、赤だった。文字どおり太陽の色の朱であり、明るいの赤だった。

青は黄色から緑を経て、青に至る広い領域の色を、アオと呼んでいたようだ。
アヲだったのかもしれないが、夜空の青の階調は闇にと続いていく。

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青は鎮静効果を出す色かもしれない。知的で冷静なイメージの青。蒼、碧、青と様々な顔を持つ。
赤の領域は、明るく活動的な色、輝き陽気さの溢れる世界。朱、緋、赫、丹、紅、赤とすべてアカと読む種類の多さ。

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定かでなかったものがカタチを表す。青い瓶が目の前にある。

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   蒼き騎士真夏の海に飛びこんだ  無音


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   明確なカタチを あらわす前の姿のが その真実の気配は強く感じる


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7月22日 [色]

雨があがって蝉達が一斉に鳴き出した。
夜中に耳に入ってくる事もある。
既に頭の中に入った蝉の鳴き声を幻聴として思い出しているのかと迷う時もある。

昨夜観た夢は、駅の乗り換え改札が出てきた。駅員が紙の切符を受け取り、電車はあふれるような乗客だったから、時代として相当昔の夢なのだろう。
夢が覚めて、時代や場所が何処かなど推量してもなかなかわからない。
夢は現実の世界を相当ミックスしてみているのだろう。


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夏に斑を入れ涼し気神出現 むおん

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大量の夏を仕入れて秋に売る むおん

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さくらんぼの嘆き朝顔の如く むおん


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7月19日 [色]

楽園の色を思う。楽園には極彩色の色が付いているのだろうか。キラキラと音が聴こえ、光が溢れきらびやかな彩りの植物、着飾った人々、派手の極みの鳥や魚達。どこまでも透明な空。

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恐竜達がいた時代、虹色のタマムシ達が空を飛び交うイメージを連想する。見上げる虹色の蜥蜴の眼に映る青空と鳥や虫達。楽園は寒い国ではなく、南国のイメージだ。
その楽園は、平和なのだろうか。弱肉強食、恐竜時代の人間は、様々な天敵に追われまくりアフリカ大陸を出た。残ったもの達もいたが最終的な現在、移動したものが生き残った。移動しながら先住者の世界を破壊し、先住者の富と労働力を吸収することで生き延びた。

玉虫が飛び交った楽園は、想像上の世界なのか。楽園とはどこにあるのか。平和とは何か。
玉虫色のかけらを見ながら考えた。100年前に作られたレンズの目でも玉虫色の世界しか見えてこなかった。

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  恐竜を虹色に塗る真夏の日  ムオン

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  玉虫残欠熱中症予防必須  ムオン

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  夏の闇似合いすぎた玉虫 ムオン

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  玉虫色の恐竜時代真夏の夢   ムオン

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  玉手箱の天空に玉虫眠る   ムオン






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7月18日 [色]

路上の宝石



散歩中に、コンクリートで舗装された路地に、キラリと光るものを見た。
大事に持ち帰り、黒漆の小箱の上にそっと置いた。


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路上の宝石は、玉虫の羽の欠片だった。

蒼く翠と青の間を行き来する不思議な輝き。

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夏の空に輝いて飛ぶ、玉虫の姿を何度か見たことがある。
路上の宝石は、玉虫の厨子の様に、漆の小箱の上で永遠の光の主の様に存在しています。

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7月08日 [色]

小玉西瓜の黄色を食べた。皮が薄く甘味も濃厚。
昔は大きな三浦西瓜が網に入れて井戸で冷やして家族で食べた。少人数の家族の今は小玉西瓜が、丁度よい。黄色を見てると、隣の家の井戸に、黄色いマクワウリが三つ浮かんでいたのを思い出しました。今は見かけないマクワウリ。


鮮やかにマクワウリ咲く井戸の闇 ムオン



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6月15日 [色]

梅雨に入り、町中が抹茶色に染め上げられてきた。深緑、苔、黴、様々な犯人がいる。
木塀も、石畳も、ブロックや、樹々の樹皮までも緑。

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苔色や黴色に染む梅雨の街 無音





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