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1953 [光]

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1953年写真家の濱谷浩さんが撮影した、大磯のこゆるぎ海岸を疾走する馬達。
こゆるぎ海岸は大磯から小田原にかけて緩やかで優美な海岸線を持った浜辺である。小田原よりは酒匂川の運ぶ大きな石が海岸線に敷き詰められ、大磯方面になるほど小石から砂にと変化していく。かっては砂浜が広くあったが堤防や港の埋め立てなどの関係で、潮流がかわり、現在のこゆるぎ海岸の砂浜は狭くなっている。60年近く前は結構砂浜がひろかった事が判る。
それにしても海岸を疾走する馬のシルエットは気持ち良さそうだ。雲の形状から冬場に撮られた写真なのだろうか。雲の脚が海に降りるような光景は、今の冬の景色にもそっくりである。
濱谷さんは大磯に住み、多くの写真を残している。日本の古くからの文化や民族史に関心を持たれ深い味わいのある画像が印象的だ。
1953年の当時馬はまだ身近な存在として人々と共にあったのだろう。五歳の頃の私は路上に湯気をあげて馬糞が転がる光景を馬が立ち去った後に見た光景がある。馬は汚穢屋さんの木桶を引いていたのだろうか。実家のあった横須賀の坂の途中には馬頭観音の石像が祀られていた。
そうこの町で亡くなった吉田茂首相も若き頃職場に通うのに馬で出社し、上司が見上げて思わず頭を下げたと言うエピソードがある。
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現在のこゆるぎの浜を小田原、箱根の山方面を望む。西行法師も奥州への旅路で、此の海岸へ降りているかもしれない。
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湘南平より江ノ島方面を望む相模湾の光景。右手に小さく烏帽子岩が茅ヶ崎の沖合に浮かぶ。海の上の半島は三浦半島。房総半島も重なり見える日は多い。海は此の日荒れていました。
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穏やかな日射しの現在のこゆるぎの浜。初夏になると全国の有数なシロギスの投げ釣りスポットになり人々で賑わう。
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黒々とした冬の彼方に春の海が見える光景は好きだ。蕗の薹のあちこちで見かける季節となりました。
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1953年5歳の私は三輪車に夢中でした。疾走する三輪車を脚で蹴ってのるのが其の頃の私でした。錆びて朽ち果てた三輪車の鉄屑は何に生まれ変わったのでしょう。
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コメント 6

Silvermac

子供の頃の忘れられない、懐かしい光景は荷車を引く馬と道に転がる馬糞でした。
by Silvermac (2012-02-16 09:54) 

斗夢

戦時中、わが家にも農耕馬がいた記憶が微かにあります。
いつの間にかいなくなり、少しあとで聞いたところ戦争に行ったとのことでした。
なぜかあの頃を思い出す風景はモノクロです。
by 斗夢 (2012-02-16 10:28) 

海を渡る

時々、50年前の今治地図を見てはあまりの変わりように愕然とします。
昔あった懐かしい海はもうありません。
子供に頃近くに製材所があって馬が運んでいました。
Silvermacさんと同じく道に落ちた馬糞が懐かしいです^^。
by 海を渡る (2012-02-16 12:17) 

SILENT

Silvermacさま
馬糞は藁色をしていて粘土みたいにも見えました
荷車が坂に差し掛かると馬の息が荒くなっていましたね
斗夢さま
農耕馬と軍馬は体型が違っていたんでしょうね。道産子馬のレースを見てみたいとは思っています
海を渡るさま
今治はタオルで有名ですね。海はどこも埋め立てられ見る影も無いけど、美しい海の写真いつも見せていただき元気が出ます
by SILENT (2012-02-17 19:07) 

e-g-g

こゆるぎ海岸の写真を拝見して、
つい最近テレビで見た『狂った果実』を思い出しました。
映画の設定は夏、そして馬も登場しませんが、どこか重なります。

仕事でときどき“馬糞紙のような紙に印刷したい”などと
呟いたりしますが、若い人には通じません。
それから三輪車ですが、私の一号車は鋳物製でした。
重かったです。
by e-g-g (2012-02-22 14:49) 

SILENT

e-g-gさん
「狂った果実」の撮影地、江ノ島沖や葉山方面も此の海岸からよく見えます。馬糞紙懐かしいですね。あのきめの粗さと色合いが馬糞に瓜二つの呼び名となったでしょうね。
鋳物製の三輪車さぞ高かったんでしょうね。重さも確かに重そうですね。
by SILENT (2012-02-23 12:44) 

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