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前田夕暮 [人]

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明治35年6月末 前田夕暮20歳 大磯北本町の天野医員に預けられる。本名は洋三、神奈川県秦野出身の歌人。大磯鴫立庵の西行の夕暮れの歌にちなみ、前田夕暮という名をつけたそうだ。
心なき身にもあはれは知られけり鴫立沢の秋の夕暮れ 明治42年11月には鴫立庵の東側海に向う方面に 夕暮橋が完成し渡り初めが行われている。天野医院は数年前迄国道に面した場所で趣のある洋館に天野と言う表札が掛かる建物があったが、取り壊されて新しい家が建っている。
鴫立庵前を西に国道1号線を走り台の坂と言う上り坂の右手にCHAIROというガラス戸に看板の出たカレー屋さんが出来た。昔はパンの倉という人気の店だったが通称パン倉は、大磯駅前に移転した。そこのカレー屋の二階で先週迄 九州小石原の食器を展示されていた。飛び鉋という技法の轆轤で水滴を飛ばしたようなエッジの鋭い模様が刻まれている。涼しげな竹のれん
と暗い座敷に調和した器達だった。
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自然がずんずん 体のなかを通過するーーー山、山、山    夕暮
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君ねむるあはれ女の魂のなげいだされしうつくしさかな    夕暮


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コメント 4

駅員3

4枚目の写真は、こんな部屋の中から外を眺めようとすると、時間の流れが止まって、「外が見えるようで、見えず」・・・「あるようで、ない」・・・『無』の境地が体感できそうですね。
by 駅員3 (2009-06-29 14:13) 

ナカムラ

自然がずんずん 体のなかを通過するーーー山、山、山    夕暮
※こんな短歌が前田夕暮にあるのですか?自然律みたいな・・。凄いですね。
by ナカムラ (2009-06-29 17:16) 

SILENT

ナカムラさん
前田夕暮研究室からの以下引用です
飛行中の情景浮かんできます

『水源地帯』(昭和七年九月、白日社)所収。夕暮の自由律短歌として有名な一首である。『東京朝日新聞』昭和四年十一月二十八日夕刊初出。
 この歌は朝日新聞主催の空中競詠の際、夕暮の郷里丹沢山麓上空で詠まれたものである。夕暮は「たてつづけに山のほさきがえらい速度で衝迫してくる時の感動」を詠んだと後に述べている。このとき夕暮はその感動を従来の文語定型で歌うのではなく、口語自由律において歌い、これ以来10余年に及ぶ自由律短歌運動に打ち込んでいくのである。
by SILENT (2009-06-29 20:23) 

SILENT

駅員3さん
千本格子が大好きです
奈良の大宇陀に数年前でかけた時
夜の民家で何枚も格子の向こうに浮かぶ裸電球の
光景に眼を奪われました
簾や格子 日本の美のひとつですね
細い竹のか細き擦れ合う音が最高の 竹のれんです。
by SILENT (2009-06-29 20:27) 

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