と ら が あ め 天空の部屋から [アート]
五月二十九日朝 虎が雨は 降り続いている
昨夜のブログを書き込んだ時点から
考えていた記憶の断片の
羅列が落ちる
書棚から 別役実さんの本を抜きとってきた
落ちる 流れる 溶ける 滑る 消える 泣く 泳ぐ 洗う 決める 浮かぶ 演ずる 満たす 汚す 漂う 治める 潜る 浴びる 渡る 滞る 、、、、、、、
本の背表紙には「さんずいづくし」
本の中にも表紙にも水が溢れている。
昨夜の「とらがあめ」の作家さんの水の話が面白かった。
水の一生の話を思いだした。雲が沸き、雨が降り、大地に、山稜に、町に、村に、畑に、森に、海へ降り注ぐ。水の行方を、水の有様を、作家は思ったという。
今日も展示されているビルの三階の屋上にも雨が落ちている。雨はどこから来てどこに行くのか。その天空の部屋には黒い雨が生産されていた。蛇口から黒い水が流れ出る。
昔蛇口から赤い水が流れ出た。鉄が錆びて燃えた色の茶褐色の水。黒い水は部屋に浮遊するように軽やかに広がりだす。そこは昔畳みが敷かれ台所があり色付きタイルの浴室があった。水はビルの中を配管されその源は丹沢にあるのか。
此のビルの下にも地下の水脈がある。大磯丘陵という小高い山に降った雨が数日後相模灘に注ぐ。地下水はかなり早い日数で海へ。水の道が地底にある、其の道を見てみたい。
ビルの外側に広がる光景が見事に作品として感じられた。借景としての下町の光景に黒い凧が沢山飛ぶように一瞬見えた。凧の糸は天空に延びている。その画像が反転すると凧の糸は地上に落下を始める。
現代の光景に黒い雨が降る。一枚の硝子を通して。硝子が何枚かあれば、アニメーションのレイヤーになるのだろうか。ダブルイメージの黒い雨が借景の光景と、室内の黒い雨に重なり美しい。
海が見える光景に、下町の町が消える。消し去った光景の中に松林が迫ってくる。白い波と黒松の画面がだぶる。鮮やかな歌舞伎衣裳の虎御前が髪振り乱して浜辺を彷徨う光景が見える。
玄と黒とクロ
素と白とシロ
手塚治虫のアニメ作品で地球上に未来の世界で無くなってしまった物質を、科学者が再現する話を思いだしました。その物質とは「水」。それは純度の高い水だろう。涙も雨も不純物を含むから暖かい。水は冷たいのがいいのか。温かい水がいいのか。
水の心を考えさせられた個展でした。
以下は個展の御案内頁から
http://sayakaishizuka.blogspot.com/
勝手な画像の掲載とコメント。作者の方の許可なくアップしています。
コピーレフトの精神好きなのですが、世界は多様です。
御意見あれば大いに
参考にさせていただきます。
最近は雪を見ていない
空を見上げ
天空をフワフワと舞う雪 重たそうにどたどたと降る水雪
阿呆のように口を開けて 雪を捉えた子供の頃
白い雪は角度で黒い雪に変わる
雨も黒い姿が太古からあったのかと気づいた
ことばが紡がれ
言葉が刻まれる
その痕跡は
深く
こころに
きざまれた
あめがやんだ 今
2011-05-29 08:04
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コメント(1)
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画像、どれもいいでやすね(◎o◎)b
観ていてとても気持ちがいいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2011-05-30 20:20)