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胡蝶之夢 [水]

胡蝶之夢 机上に邯鄲の面が掛けてある。邯鄲の夢と、胡蝶の夢はどう違うのだろうか。
人生夢幻の如く也、この言葉は好きだが、夢と現実はかけ離れている。幻も此の世にないが体験する人々は多い。幻の様だったとは脳が感じる世界なのだろうか。最近美しい蝶を見た。
優雅に舞う姿は幻か夢の中の様な世界だった。

蝶はぬめりのある下水の様な汚い水辺に舞っていた。
蝶が夢で、下水は現実の世界だった。ヘドロの様な水辺と黒地に鮮やかな緑と青の鱗粉が煌めく。
羽根を閉じると全身が黒一色で覆われる。ネットで蝶の名を検索した。カラスアゲハ又はミヤマカラスアゲハと出た。両者の識別は難しいらしい。優雅に舞っているときは緑と青の諧調が発光する様に美しい。停まりかけて羽根を閉じるとカラスの様に黒いシルエットになる。生まれて初めて見た蝶だ。鎌倉蝶々や、ナガサキアゲハは何度か対面した。ミヤマカラスアゲハのミヤマは深山を意味するらしい。

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今住む町の東側に高麗山という山がある。東海道の平塚側の花水橋附近からこの山を眺めると、綺麗なお尻のかたちが海に向かい潜り込んでいる様な優美な姿の山に見える。南の相模湾からこの山を眺めると漢字の「山」の字の様に小高い中央の山を挟み東西に低い峰が二つ並ぶ。中央の高い峰を高麗山、東側の峰を東天昇、西側の峰を八俵山と呼ぶらしい。平塚側から見ると、東天昇を手前に奥の高麗山の二つの峰が見えるのだが、手前にある東天昇が大きく見え、奥の高麗山と同じ高さに見え、その二つがお尻の様に見えるのが不思議だ。遠近法のなせる技か。

平塚側を北に行った道から眺めると、東天昇だけが大きく富士山の三角形の様に見えるのも面白い。北側から見ると山の形はなだらかな丘陵の姿に変貌する。山の形とは不思議なものだ。東西南北何処からも同じ様なかたちに見える富士山とは軌跡に近い山なのだろうと今更ながらに想う。
古墳時代の頃、海上を高麗山と名ずけられる前に、高麗からの人々が上陸して山の麓に住んだそうだ。海上からの目印になる様な特徴のある山だったのだろう。アオバトも丹沢の山からこの大磯丘陵の山の姿を目印に飛行してくるようだ。蝶も山を超える時、峠附近等蝶の道があるそうだ。無数に引かれた空の上の、鳥の道や、蝶の道を頭に描いてみる。
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毎年漬け込む南高梅の梅を水中に放つと、銀の膜が梅の身体を覆った。銀の滴も美しい。
今年も良い梅干しとなってくれます様に。水中の姿を眺める。
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梅の香を放ちみなもに眠る実等 SILENT
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コメント 4

ぜふ

ミヤマカラスですね、たぶん。
by ぜふ (2013-06-18 23:02) 

sig

神秘的なチョウですね。梅の写真がいかにもおいしそうです。シーズンですね。我が家の庭の梅も実をつけていますが、どうしたものかと思っています。
by sig (2013-06-19 00:26) 

SILENT

ぜふ様
有難うございます。ミヤマカラスですか。暗がりと水辺の日向を行き交う蝶には、何か魅入られました。
by SILENT (2013-06-19 03:36) 

SILENT

sig様
今年は枇杷が豊作で彼方此方にたわわになる姿を見かけます。梅も同じように豊作なのでしょうか。今年の梅雨は雨なく快晴が続いています。梅干しの成果にも影響が出そうです。吉と出ればいいのですが。
こればかりは天候次第ですね。
by SILENT (2013-06-19 03:41) 

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