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屋下架屋 [世界]

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iPhone5を購入した。今迄はiPod touchと、iPadの二本立て。今更iPhoneでもないのだが。
外出先で手軽にネットのアクセスと考えての決断だった。
本体を見ていて考えた。設計の思想でストラップを付けて使うという機能が外されている。何故なのだろう。iPhone5にストラップが付けられない理由はネットで検索すれば多く出てくるのだろうが、その真意は何なのか、妙に気になり始めた。iPhoneの為のアクセサリーとして多くのカバーや、ケース、ストラップのオプションが各社で展開されている。だが何故か興味を惹くものがない。
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カバーやケースやストラップの機能は、何かを保護し、何かをアクシデントから守る為のものだ。
今も携帯を胸のポケットに入れ、その携帯にはストラップが付き首からストラップが繋がった状態になっている。前屈みになり胸のポケットから携帯が床に落ちてしまった事は何度かある。ストラップは、子供の頃手袋に紐が付けられ首から下げていた何か情けない記憶がある。早く大人になれば手袋の紐がとれると思っていたものだ。大人になって無造作に手袋を扱い片手をなくす事は今も多いのだが。
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屋下架屋という言葉があるのを知った。屋上に屋を重ねるという言葉は知っていたのだが、この言葉は昔、屋下架屋であったという。物事の重複で無駄な事や、同じ様な事を真似て独創性のない事という様な意味があるらしいが。最初は屋根の下に屋根を作り無駄な事とあったのには驚いた。大きな建物の屋根の下には屋根が作れるが、兎小屋の日本では、外側に屋根を作る方が合理的なのだろう。
ストラップレスの世界から話が遠ざかったが、設計では無しのママで使う方がシンプルという発想なのだろうか。シンプルで機能の最低限に押さえたものは美しいものや、美しい世界を出現させるという深い思想の様にも思えてくる。
カメラの設計思想でも、最低限の機能に押さえ、他の機能が欲しい人はオプションで追加するという事が好きだ。本のカバーもカバーを外しても何ら読書という機能に影響はない。むしろ裸にされたカバー無しの本のが新鮮に思えるときがある。
本来の機能とは、何が必要かが、最も曲者で、この話を終える。
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モノを大切に扱う心は大事である。新車を買って綺麗に手入れをして靴を脱いで車には専用の靴でドライブする人の話を聞いた事がある。アイホンを見ているとその白い物体が宇宙船の様にも見えてきた。
未来という星からやってきた未確認飛行物体の感覚が漂っている。
この世界とは何なのだろう。百年後の世界この白い物体を人はどんな想いで見つめている事だろう。
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世の中を見ると、屋下架屋な世界が沢山見えてくる。レンズを通して網戸の存在が鮮明に映り込んできた。見えていそうで見えていない世界。屋下架屋は、原子力発電所の事故ではどうなのか、二段三段の安全対策は屋下架屋と言えなかったのではないか。百年後の原子力発電所の建物を覆う建物の姿が見えてくる。そして、スーパーコンピューターの部屋に置かれた算盤の話が甦る。無駄を排除する事が必要な世界と、無駄ではない無駄の世界。世界はいちようにはいかない。
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屋下架屋
屋根が雨風から身を守ってくれるとしたら、雨漏りで畳の上にバケツや、洗面器を並べた時代が懐かしい。雨の雫がスローモーションで映るその先に、iPhoneの白いかたちが浮かんでいた。
ストラップどうしようかと未だ考慮中。それは自分にとってどんな道具なのかの迷いでもある。
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