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十月三十日 [山]

この町から眺められる富士の姿は、その場所の地名から何か想いがより深まる。台町の坂から、坂を登りながら大きな富士の山容が見られる光景は圧巻だ。その先2キロほど切り通し坂を下り始め、切り通しの狭い幅の暗がりから、いきなり広がる坂の下の彼方に大きな富士が裾野を広げる光景も圧倒される。切り通しの左手の住人が、かって吉田茂首相の本邸だったことを知る人も今は少ない。その切り通しの左手の門を入ると吉田邸の二階の窓から松の林の彼方に富士が一望できた。切り通しの右手は三井高棟別荘があり三階の楼閣からは富士の山容が見られたという。この切り通しからの富士を「下がり富士」。台町の坂の富士を「上り富士」と昔の人は言っていたという。切り通しを超え、右手に旧東海道があり、その古道を行くと左手に富士が見えてくるという。東海道でも道の左側に富士が展望できる場所は少なく、旅人は「左富士」とそこから見える富士を呼んだという。数日前の初冠雪も少し溶け、富士の頭も白さが消えた上り富士の前に、何か電線がうるさい。「電線富士」と呼ぼうか。
登り富士.jpg








          電線に背伸びする富士秋ふふふ     むおん









電線富士.jpg
いずれも台町の坂より
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