詩に何が出来るのか [言葉]
先日の早朝 石巻出身の辺見庸さんの番組があった。四月三十日再放送とNHKにあったのでご興味のある方はご覧下さい。咄嗟にメモしたその時の詩に深いものを感じた。
死者にことばをあてがえ
私の死者ひとりびとりの肺に
ことなるそれだけの歌をあてがえ
死者のくちびるひとつひとつに
他と異なる
それだけしかないことばを吸わせよ
類化しない統べない
かれやかのじょのことばを
百年かけて
海とその影から救え
砂いっぱいの死者に
どうかことばをあてがえ
水いっぱいの死者は
それまでどうか眠りに落ちるな
石いっぱいの死者は
それまでどうか語れ
夜ふけの浜辺にあおむいて
私の死者よ
どうかひとりで歌え
浜菊はまだ咲くな
あぜとうなはまだ
いたむな
私の死者ひとりびとりの肺に
ことなるそれだけの
ふさわしいことばが
あてがわれるまで
辺見庸
呪文のようにゆっくり語られる その詩に 深いものがありました
ことばにならないものが 聴こえました
詩の力を感じました 大きな静かな力を感じました
2011-04-27 14:58
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コメント(5)
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時々、無性に詩を読みたくなります。
しかし、難しいなと思ってしまいます、理解するにしろ、共感するにしろ。
本棚に数冊しかない詩集。それが問題?
by 斗夢 (2011-04-28 05:55)
うん、今は、詩も写真も無力なところにいます。早く再起しなくては、、、、。あ、地震の被害にあった訳ではありません。
by kjisland (2011-04-28 17:41)
ちょうど昨日詩集に、感動したところです。言葉は、すごいですね。
「肺」 「100年かけて・・・・」 言葉は、すごい。。ぴょ。ぴょ♪
by kinngyo (2011-04-28 21:28)
写真と言葉を融合させて何かしら感じ取って頂けるものを作りたいと思っていますが、なかなか上手くいきません。
もっともっと勉強しなければなりません。
by 寂光 (2011-04-28 22:06)
写真と言葉を融合するのではなく、
どちらかひとつで言い切る方がより強い力があるのかとも思いますが、
私は融合させたいと思い写真を撮ってします。
by 寂光 (2011-04-28 22:08)