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2001 [映画]

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映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を見た。長い題名だが、母親から息子へのメッセージに書かれた言葉だと言う。2001年9.11.をテーマとした子供が主人公の映画だった。冒頭のシーンが何か不思議な世界を予感させる。切なすぎるが美しいシーンだ。スーツを着た男の足と靴がスローモーションで映し出される。空を飛ぶ男の髪が風を切って揺れる。タイトルの白い文字が紙切れとなって空に舞う。
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主人公の子供が呟く、「この地球上には今、生きている人々が、今迄に亡くなった人の数よりも多い。」果たしてそうなのだろうか。自分は死者の数のがずっと現在生きている人より多いと信じて来たのだが。あるHPには、この1万年間に地球でどのくらいの人間が生まれたのか計算してみよう。もちろん、先に見たように、単純に世界の人口を足すのではなく、出生率をかけて生まれた人数を1万年分足すのである。結果は、3279億3175万4805人。
少年が呟いたのは、70億の現在生きる人々より、死者の数のが少ないと聴こえたのだが、原作を読まないと意味は判らない。

少年をイスラム世界の中で育っていく少年に置き換えてしまった。チャップリンが言った「あなたと私の間にあるのは、立場の違いだけです。」確かに豊かさとか、生まれた環境の違いは、幸福には本質的な影響を与えないかもしれない。
少年にトラウマとなった体験が、映画の中で扉を開いていく。一つの鍵が、心の鍵穴に合い、人の心の扉を開けていく。少年が探す「BLACK」というNew York中の人々にも暗喩が込められているようだ。いつか南部アメリカで「COLOURD」という小田実の見たバス停での標識が甦って来る。少年は911で亡くなった父親を捜し、インターネットの画像から空を落下する人の姿に父ではないかという姿を追う。なにかこのシーンは痛ましすぎる。
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映画は寓意と暗示に満ちている世界かもしれない。少年の祖父はドイツドレスデンの出身で、ドレスデンが米軍ら連合軍の空爆で破壊された、アメリカに渡ったという。祖父が言葉が話せずメモや掌で孫と会話するシーンが印象に残る。これ以上種明かしするのは、原作や映画を見る人の妨げになりそうなので止めておきます。
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911の真実は一つなのだが、生きてこの世界に遭遇した人々が様々な思いと、様々な人生を歩んでいる事が、この映画から判った。希望が芽吹くようないい映画だった。少年が「太陽が爆発しても、この地球にそのことが届くのは8分後、、、、、、、」この意味する事を噛み締めてみたい。
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ビデオ屋で「スモーク」というアメリカ映画を借りてきたいと、ネットを検索中、この映画に出会いました。それにしても長いタイトルでした。
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トムハンクス演じるアメリカの父親と言った人物と、その父親の二人が好きです。
少年の母や、祖母も最高の演技でしたが。
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Silvermac

トムハンクスはコメディーから演技派になりましたね。
by Silvermac (2012-07-06 22:03) 

yayu-chang

トムハンクスは好きな俳優さんの一人です^^
by yayu-chang (2012-07-07 10:09) 

cafelamama

コメディができる俳優は、シリアスドラマもうまいですね。
「スモーク」大好きな映画です。
この映画に出てくるタバコ屋を見に行きたいと思って、ブルックリンに
探しに行ったほどです。

by cafelamama (2012-07-09 08:17) 

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