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栄華盛衰 [人]

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御近所の九十七歳になる方のお話を、秋の夜長お聴きして涙が溢れる想いをした。
その方が若い時、田舎に帰り田植えの手伝いをしようと苗を何枚かの田圃に植えて、母を喜ばせようと家に帰り、「もう田植えを終わらせてきたよ!」と母に告げたという。母上は大変喜び、「ありがとう、ありがとう」と大変喜んだという。その後誰からか、田植えの苗はうまく植えられていなかったので母上がこっそりと全部植えなおし、その事は言ってはならないと、まわりの兄弟にも口止めしたという。後から聴いた本人は、母の有難さに涙が溢れたという。
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老人の小さかった頃、祖父に大変可愛がられたという。祖父を「じじ」と呼び、多くのことを教わったという。祖父と共にある日、飲食に出かけた時に、足袋のコハゼを二枚はづし、支払いで釣り銭が来たという。金製のコハゼを出かける時には足袋に仕込んでいたのだそうだ。この話をお聞きして、最近亡くなられた山崎豊子さんの「ぼんち」という作品を思いだした。足袋屋の若旦那が、御祝儀に足袋を配り、それを貰ったある旦那が「足袋の祝儀とは吝嗇な」と足袋を床に投げると、コハゼが立てる音が小判の音の様で、拾い上げると金製のコハゼが全て付いていて驚愕する。というシーンを思いだした。金製のコハゼは職人が作ったものだったものだろうかと、考えてしまった。何か粋な御話です。
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図書館の古本供出市で、「昭和天皇の歴史」という6巻組のDVDを手に入れた。明治後期から昭和という時代の終わる世相がよくわかり、使用された画像や動画も素晴らしい。
昭和はつい最近迄そこにあったはずなのに、何故か無性に懐かしく憶えてくる。
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パソコンのフォントより、何か手書きの文字を見るとこころが和む。
デジタル化とは、何なのだろうか?世界はデジタルでは総て見えて来ない。
アトムからビットへ、時代はモノ離れを加速しているのだろうか。
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アップルが亡くなりかけた時、周囲でMacのパソコンは消えるよと言われた。
今またアップルの勢いは衰え始めているのだろうか
世界が消える前迄、生き残るものは何も無いのだろう。
栄華盛衰、奢れるものはひさしからずや
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最近断捨離を始めた、ものが消えて行く行為に参加するのは、苦痛でもあるが、何も無くなった空間を見て、心が洗われるのも事実だ。
築半世紀を超えた身体や、心も垢や埃を落とす時に来たと実感する。
ものが消えても、そのものの鮮明な記憶がなくて、、何も不自由はしない。
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世界は無常の仕組みで成り立っている。常というものは何も無い。変化あるのみ、前に進もうことしかできない。諸行無常の輝きを秋の空に見た。
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金継ぎのつなぐこころや冬の白  SILENT
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そらへい

いつかは無となる身
断捨離はそんな己に対しての
潔さを促すものかも知れませんね。
by そらへい (2013-11-23 22:19) 

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