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林檎追分 [世界]

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映画「奇蹟の林檎」をみた。世界で類のない、無農薬で林檎を育てた木村秋則さんと奥様と子供達の生き方をみて、聞いて、感動した。農薬アレルギーで苦しむ奥様の姿が何か、現在も進行中の原発事故や、水俣、足尾の世界を連想してしまい。胸が詰まった。生産性を上げることが必要悪としての農薬の使用になるのだろうが、最小限の薬よりも、自然の力にゆだねる世界のが長い目で見て信頼性が高いのではないだろうか。無農薬に挑み十数年の長い歳月を経て、ラストの林檎が咲くシーンは、花の蕾を主人公が早くから気がつくはずで、満開の林檎の花を隣人や、友人から教えられるシーンには、リアリティが感じられなかったが、映画の演出からはやむ終えない流れなのだろうか。それにしても満開の林檎の花が咲くシーンは美しかった。主人公の義父のラバウルの戦闘時代の畑の土のエピソードは、伏線として面白い。主人公が森の土を手に掬い上げ、思わず食べるシーンも大好きだ。大地の子守唄という映画で、原田美枝子演じる少女が、土を食べるシーンも何故か眼に焼き付いている。この地球上を覆う土の層は、地球の皮膜程もないそうだ。それが何万年何億年かけて土となって行く。その土を作るのに白蟻も一役かっているという。人間と白蟻、人間と農薬、人間と林檎、何か映画から貴重なものを教えられた。町の方から軽井沢産の林檎と、信州産の林檎を戴いた。何箱か買われておまけに付いてきたものだという。ちいさな姿だが無農薬のようだ。
無農薬で実をつけない老木に向かい主人公の木村さんが、大きな声で林檎の木に話しかけるシーンも秀逸だ。木村さんはUFOにも出会っているという。何か信じられるようすが、UFOとの出会いの話も真実なのだろうと思えてくる。私はUFOには未だ出会っていないのだが。
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田舎の宮城県から蜜がたっぷり入った林檎を箱で贈られた。
田舎の親戚は津波で家を流され、まだ仮設住宅住まいだ。その方から地元の農園の林檎を贈っていただいた。りんご園は沢山の林檎を実らせているという。小学校の頃田舎に行き遠くに海が見えた。あの津波の海も今は蒼い冬の海でいるのだろう。林檎の中に海鳴りが聞こえる要な気がした。
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あのマッキントッシュの林檎のロゴはどうして生まれたのだろうかと、ふと思った。ガレージから始まったMacの歴史。アダムとイブの林檎、体制が農薬でも、無農薬でも林檎を育てようと想い其所に向かった人と、Macの歴史が何故かだぶる。それは何故という疑問符を常に持った人という共通点だからかも知れない。多くの人がしているからではなく、自分という存在が求めるものに忠実だった人。
齧りかけの林檎、林檎をみて丸かじりをしようと思う気持ち。アップルマークはその原点が好きです。
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今年一冊の本に刺激を受けた、「りんごは赤じゃない」絵を描くとは、人間にとって何なのだろう。今朝の日曜美術館では「見えているものでなく、見えないものを描くことが絵だ」と言う声が聞こえた。
一個の林檎を見つめて凝視すると、そこに沢山の色があることは観察すればわかる。林檎は赤じゃない。林檎は赤で出来ているのではない。昔クレヨンに肌色と書かれたものがあった。その肌色とは誰の肌色を指したのだろう。黄色人種、日本人、白人、無数の人の肌色が浮かんでくる。あの記憶の肌色の一本は黒人の人の肌色ではない。いったい誰の色だったのだろう。世界は多数の要素で出来ていて決して単一ではない。様々な林檎が目に浮かぶ。彫刻家の青い林檎が目の前にある。
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林檎浮かぶ白き山と海の果てしなく SILENT

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りんご追分の唄が好きで、美空ひばりと、AIKHOLIC in Blue、UAの三曲をダウンロードして聴いている。特にAIKHOLIC in Blueは今の時期心にしみますよ。

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寂光

リンゴのお話に、
いつものように深く心を傾けて拝読いたしました。

文章が滑らかなので、
すらすらと言葉が思い浮かぶ姿を思い描きました。

リンゴから思い浮かべる唄、
私の世代としては、
井上陽水の「氷の世界」、
その冒頭に現れる「リンゴ売り」を思い浮かべます。

越後高田は、
今年まだ雪に覆われていません。
仏教徒の私ですが、
今日は娘のためにクリスマスプレゼントを、
十二月の雨の中、
買いに行ってきました。


by 寂光 (2013-12-22 20:18) 

COLE

世界は多数の要素
そのとおりだと思います
by COLE (2013-12-22 20:31) 

engrid

りんごは赤じゃない
世界は多数の要素で、、
均一でない、固定観念をはらいのけ
そこに、新しい美しさをみつけたいです
by engrid (2013-12-22 23:03) 

斗夢

木村秋則さんかどうかはっきりしませんが、以前TVで見た記憶があります。
近所の方からお裾分けだよとりんごを頂いた。
小ぶりだが美味しかった。
りんごはいい色に色付けするために、熟する時期になると日に当てるため葉っぱ取ってしまうそうです。頂いたりんごは葉っぱを取らないものだそうで、そのため小さいのだが、その分美味しいのだと聞きましした。
いろいろ工夫研究されているんですね。
by 斗夢 (2013-12-23 08:34) 

ジル

AIKHOLIC in Blueのリンゴ追分、すごい歌声ですね。
こんなアレンジになるものなんですね。びっくりです。
私も親戚から一箱もらったフジがあります。冬は嬉しいです。
4枚めのリンゴは、置物なんでしょうか?
可愛らしい。キャンドルかな?
最後の2個も、これまたかわいい。木製ですか^^?
by ジル (2013-12-23 23:56) 

cafelamama

englidさんのコメントに感銘を受けました。
その通りだと思います。
by cafelamama (2013-12-27 17:34) 

t-youha

自分もちょうど「奇蹟の林檎」の書籍版を読んでいるところでしたので、自分にとってはとてもタイムリーな記事となりました。
by t-youha (2013-12-29 16:59) 

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