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みえしもの [世界]

世界はどのように見えるのか
朝のテレビ番組で、カシオの360°展開カメラ、シータを取り上げていた。
一度のシャッターを切るだけで周囲360度がデジタル撮影出来る、横着なカメラを見て驚いた。
i-phoneのカメラでパノラマ撮影は楽しむのだが、それでも撮影には本体を動かし数秒の撮影タイムがいる。周囲をすべて見る事が出来るのは昆虫や魚類では結構いるのではないかとも思う。
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生命の維持の為に視力が発達した生物の世界を、人間は頭脳で乗り越えようとしているように思えてくる。私が最初に買ったデジカメはわづか40万画素の画素数のカメラだった。撮影後描き込むのに数秒間を要し、次の撮影迄は数秒間待たねばならなかった。フィルムの撮影での1800万画素は夢の世界だった。それが今ではデジタルカメラが銀塩写真の解像度を追い越してしまった。それからコンピュータの合成技術の進歩で何枚も何千枚もの画像を合成処理し巨大な画像が作られる世界になった。
ある写真家の5mを超える巨大な写真が、オークションで3億円を超える値段で落札されたという。
大好きな英国の画家、デビッド・ホイックニーの好きな作品にポラロイド写真を沢山撮り集合させて作品にしたシリーズが好きだ。以下ホイックニーの作品から
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わが40万画素のデジカメでも、被写体をアップで部分撮りし、20枚で構成すると800万画素の写真になるだろうと合成を楽しんだこともあった。面白いのはその際、蕾の花からアップで撮り、花の開く迄をコラージュすると幾つもの時間もコラージュされ沢山の花が一同に咲く写真に変身出来る事だった。R0121675.jpg
太平洋戦争中、戦車を何千台にも見せかける合成写真をつくらせた国があった。白地に太陽が輝くデザインの国旗の国だったようだが。この国でもグーグルカーが至る所を撮影し合成し世界中何処からでも見れる光景を創りだしている。グーグルカーが撮影する世界の中で起きている事を写真集にした本が出たという。それはストリートビューでネットに見れない没画像の世界の様だ。路上に横たわる交通事故の怪我人か死者が写った現場。何かの爆発の瞬間、飾り窓の奥の女達。世界は見えないもので出来ているのが、よくわかる写真集のようだ。
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吉田初三郎というパノラマ写真を地図に展開して描く名人がいた。彼はどのように上空から見えるであろう世界を描いたのだろうか。人は高い所から下界を見下ろす世界が昔から好きだったようだ。
高天原や風神が下界を望む、神々の国の話もある。
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携帯に今いる自分の居場所がGPSで刻々表示され投げ出したくなったときがある。
PHSの電波で居場所を突き止められ逮捕された若者がいる。彼は自分の居場所が突き止められている事に気づいていなかったのだろうか。何故か十分な程気づいていた気がする。この国の世界に住む事から逃れようとしたなら携帯は投げ捨てていたのだろう。早く探知して逮捕に来てくれるのを待っていた気がする。寒さから逃れあの暖かな部屋に戻れる事を望んでいたのでは。何千人ものの捜査員、杜撰な取調室、そのギャップに何か巨大な闇を感じる。マスコミも何か他の報道や視点を発する知恵はないのか。繰り返しニュースを見てしまうこちらが馬鹿なのだろう。
隠しカメラが日常の世界に何故かもっと管理を強く、国家体制を強化しようと焦る人々の姿がちら付く。せめて自粛規制だけはしてはいけない人を目指そうと思う。
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望遠レンズの世界から、広角レンズの世界から、ズームレンズの世界へと世界は流れてしまった。
年齢とレンズの焦点距離は比例するという言葉があった。広角レンズは若い年齢、老いては望遠系という事だったのか。広角では情報量が多くまとめるのが大変だが、望遠系は主張が明快になる。対象が絞られることが、今では多くの対象が存在しても不思議でない世界になった。
何故なのだろう。情報量の多さを一網打尽にする方向に向かっているのだろうか。
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今も世界には多くの画像が飛び交っているのだろう
動画も同様に世界を飛び交う
情報が飛び交う空を 悠然と一羽のカラスが飛び立った
その空を夕べの雨の水溜まりが映す
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みえしもの林檎と掌外は冬  無音

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コメント 3

nayu多夢

ご無沙汰しています!
今年もよろしくお願いいたします^^

お母様も天寿をまっとうされたんですね・・・
100年の歳月を思うと言葉になりません。
ばば様とあちらでお茶でもご一緒できてるといいですね^^
年末は写真を送っていただきありがとうございました!
熊井浜の件もいろいろ動きがあるようですね。

鯛先生も寒い冬を元気で過ごされる事を願っています!
silentさんもお元気で良き一年になりますように!!
また機会があれば大磯に行きたいと思います^^
by nayu多夢 (2014-01-13 14:37) 

akipon

むかし、ホックニーの真似をしたくて
貴重な(高価な)ポラを無駄遣いしたことがあります。
ただ、繋げてみても似ても似つかないものになりました(苦笑)
by akipon (2014-01-14 12:26) 

t-youha

こんばんは。
カメラから見る世界の見え方についての話、とても興味深く読ませていただきました。

>世界は見えないもので出来ているのが、よくわかる写真集のようだ。
>情報量の多さを一網打尽にする方向に向かっているのだろうか。

見えないもの、見えてしまうのも、見せようとするもの、見せたくないもの・・・・誰かが何かの理由でコントロールしようとしても、必ずその意図から反したものが逃げるようにして写りこんでしまうという事にある意味安堵の気持ちさえ覚えます。
by t-youha (2014-01-19 00:26) 

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