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旬獲文化 [時]

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上田篤著「日本の都市は海からつくられた・海辺聖標の考察」で、旬について面白い事を知った。以下引用48頁から、
旬とは、がんらい、10日間のことを意味する。ところが天皇が、およそ十日おきに臣下から政務をきき、かわりに季節の品物をさずける、という旬儀を行った事から、それは材料の新鮮さを示す言葉になった。そして今日、日本人の生もの好み、或は旬好みは、世界に定評が或る。ところがそれはどうやら、縄文時代から始まったと言えるのではないか。縄文人の生業も、狩猟や採集、漁撈を寄せ集めたたんなる雑獲ではなく、旬を追っての多季にわたる食料の獲り分け、いわば旬獲といったものではなかったか。
とある。旬とは季節と密接な関わりがある。
季節の変化を知って、季節の生のものを一番美味い時に食べる文化を思った。
それは豊かな自然の恵の中にいたからこそ生じた文化だったのだろう。
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旬は、身につける着物の文化に迄影響を与え、季節の先取りと同時間を共有する絵柄や、風景を取り入れていったのだろう。
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雑誌の発売される号で、次の月の表示がされるのは何処から来ているのだろう。今は十月、店頭には十一月号と題した雑誌が並ぶ。季節の先取り、時代の先取りで月が決まっているのだろうか。
ファッションでも季節を先取りした商品は値段も高い。新商品は情報を載せているから時が経過する迄は値が下がらないのだろうか。旬の食べ物も高い。希少価値とこれを愛でる文化があるからなのだろう。最近では季節感が喪失している。日本に限らず世界中が異常気象の嵐の中、繊細だった日本の四季も狂いが生じ、旬の食べ物も激減した。一年中食べれる旬のない食品も増えた。R0115911.jpg
空には夏の雲も、秋の雲も、冬の雲迄が、ひとつの空に現われてくる。
何か劇場の様な空模様。風が強い日は雲も激しく美しい。
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20世紀は創造の時代、21世紀は編集の時代と、編集工学所の松岡正剛氏は語る。
確かに今迄に総てが出そろい、想像で出来る事柄迄出尽くした感の或る21世紀、在るもの、判ったものを編集していくのが最良の道なのだろう。編集次第で世界は変わる。
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様々な編集のアイデア、様々な編集の為の仕掛け、様々な編集された物との出会い。
でもだからこそ、その中味や、原点に触れたくなる。
人は何処から来て、何処へ行くのか。情報とは何か、その情報とは宇宙の何処から来たのか。
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一個の20世紀の中に、その秘密は入っているのだろうか。
今21世紀のはじめにその香りを嗅ぐ
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図書館で借りた、東北大震災の前に原作が書かれていて、震災の後発表されたという本。
岩井俊二著「番犬は庭を守る」原発の爆発後の世界、架空の国の未来は、放射生物質で汚染され、精子バンクに優秀で保証付きの精子が、高値で売買される時代。その世界での青年の物語。
岩井俊二監督の、「ラブレター」や「スワローテイル」は最も好きな作品。その透明感の或る世界がたまらなくいい。
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海岸で拾った石が二つ、今の季節に旬なような気がして。

旬ふたつ残暑おわらぬ空のもと  SILENT

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