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喋喋喃喃 [山]

喋々喃々 男女がうちとけて楽しそうに小声で楽しむ様を、喋喋喃喃と言うそうだ。
ある作家が長電話をする娘に、傍らから文字を書いて差し出し娘に見せたそうだ。紙には「喋喋喃喃」と書かれていたという。作家は「いいかげんにしなさい」と言いたかったのか、「仲睦まじく羨ましいね」と言いたかったのかは分からないが、本音は後者であり、建前は前者の気持ちだったのだろう。
新緑の箱根の山に行ってきた。緑の覆い被さる葉の数々が喋々喃々語り合っている様な光景だった。
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三年前の二月に同じ箱根路を通過したときの光景は、雪で真っ白だった。仙石原から元箱根に向けて芦ノ湖の湖岸の光景を思いだした。新緑から新雪へのフラッシュバック。
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仙石原では朴の木の花が咲き、咲き終わっているものも見られた.高い枝を透かして朴の葉が美しく重なっていた。香りも極上のものが漂っているのだろうが。下界には香りは無かった。
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仙石原から見る箱根外輪山の彼方に、世界遺産となった富士が頭だけ覗かせている。その下にトンネルの口が見えた。仙石原にはマーガレットの花がよく似あっていた。富士に似合う月見草にはまだ早い季節なのだろうか。
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麓の湘南の旧東海道の路の脇に、泰山木の花を見た。朴の木の花と同じ様な香りと、優雅な大きな花を少しだけ揺らす様に咲いていた。原産地はアメリカ大陸だというが好きな花のひとつと、好きな季節だ。
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足元には雑草越しの十薬の花。ドクダミの香りも雑草の簾越しで微かになった気配。
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箱根路へ向かう相模湾の車窓からの光景
かもめが間近まで飛んできて、大島が遥か彼方に見えていた。
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向かう小田原の路はきらめく光る海の道と平行して向かっている。
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箱根からの帰路は、箱根新道をつかった。旧東海道の石畳の路に最も近い道路のひとつだが右手の山の稜線がかたちづくる崖状の曲線が何か気にかかった。広重の箱根の画面にあらわれる巨大な山肌の描写にそっくりな曲線だと一瞬思った。外輪山の一部が崩れて大きな崖となったのか。八ヶ岳の天狗岩の崖の曲線にも似ているのだが、旧東海道の石畳からこの崖が見える場所はないのだろうかとふと思った。
箱根の描かれた場所は、芦ノ湖湖畔恩賜公園付近というのが定説らしいが、デフォルメやモンタージュを多用して、絵を描き出した広重の下書きにこの崖が登場しても可笑しくないと思った。

箱根新道下りの車窓から畑宿方面附近で
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振り返って芦ノ湖方面を望む崖
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広重の箱根
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芦ノ湖湖畔の恩賜公園から望む富士と、広重の浮世絵。広重の箱根はココで描かれただろうというのだが。
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崖を合成すると広重の光景が出来上がる気がする。
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SaraTriennale

セピアの雪の写真、とても素敵*
by SaraTriennale (2013-06-07 02:34) 

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