くとうてん [言葉]
くとうてん
冬に穿ち=
て誰を待つ
句読点の歴史をふと調べてみたくなった。手元に、漢字、平仮名、カタカナ、アルファベットに続く第五の文字として、記号があるという『句読点、記号活用辞典』小学館を開く。著作権表示記号やアスタリスク*、史跡名勝記号三つ点、ウムラウト¨、ダガー†、等200の記号が並ぶ。その使い方、使用例から、二重線を用いた不思議な絵本を見た。御近所の方が佐藤春夫さんの著作で子供向けに書かれた昭和の初めであろう絵本を開いて驚いた。カタカナが並ぶのは、サイタ サイタ サクラ ガ サイタでお馴染みだが、縦の行の最後に使われる、二重ダーシ、双柱、双罫と呼ばれる、繋ぎ記号が眼についた。
文字が次の行に繋がることを意味しているようだが、何故わけられてしまったのかが気になる。
アナ=タサマガ デ=スカ オ=ハナシヲ クダサイマ=センカ
活字が縦何字と決められて作られたから次の行にまたがるのは当然なのだが、何か読み上げていると気持ちがよい。一行で完結しないで次の行にまたがる文章が独特のリズムと、読み手のスピードを抑制し不思議なリズムを生み出す。文字の配列全体の何処を読むかを一頁の全体を見ながら峻別している眼の動きの気配を感じる。詩の様な配列に文字のつなぎ部分と空白部分が何かを訴えているようにも感じる。ある不自由さから訴える素朴な力の何かのように迄も感じてしまう。
この時代の支那の童話という取り上げ方をした、感覚と知性に何か羨ましいものを感じる。
何か「無地極上」といった趣の絵本である。
今支那といえば差別用語になるのだろうか
春の日ざしは数千年前もこうであったよと言っているようだ
くとうてん出番待ちたる春のはな 無音
ひねもさん椿一輪くとうてん 無音
冬の海さけびちいさき句読点 むおん
2014-01-27 10:46
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コメント(3)
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句読点で思い出すことがあります。
今は亡き母からの手紙はほとんどひらがなとカタカナでしたが、句読点はひとつもありませんでした。
by 斗夢 (2014-01-27 12:26)
こんばんは。私が小学校に上がった時から国語の教科書はひらがなになりました。同級生はカタカナを覚えるのに苦労したようですが、私は兄たちの教科書を読んでいたのでカタカナも読め、得した気分でした。
句読点をテーマにした句と写真がいいですね。
by sig (2014-01-28 20:22)
斗夢さま
句読点の制定の歴史、意外と明治の後半からと知りました。少し前までは、句読点のない時代が長かったとは知りませんでした。
sigさま
カタカナは、モダンなイメージがありますね。ひらがなのが日本的で優しい感じがします。カタカナというと電報やテレックスを連想してしまいます。
by SILENT (2014-01-30 13:45)