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五月八日 [鳥]

太太し蚊の一撃に夏来る  さいれんと

蠅の王見かけぬ街の生と死と 無音

カラス白ければ心地よき春も又 むおん

だんごむし少女の初夏の掌のうちに ムオン

小鳥鳴く夏来りなば山近く  silent

カラス.jpg

カラスという鳥は、神の使者として、何かを伝え来る存在だった時期もあるのだが、その黒い艶のある姿と、大きな嘴が神秘を誘ったのかもしれない。あの大きな鳴き声も何か予言めいて聞こえてくるときもある。その飛ぶ姿と風を切って飛ぶ姿を最近は優雅に眺められる気になった。ヒッチコックの「鳥」ではラブバードから、ジャングルジムの上の鴉、港を見下ろすカモメの群れと、いろいろな鳥が描かれていた。彼らが一斉に反乱を起こしたら恐ろしい。
あの大きく広げた黒い羽は、なんと見事なのだろうと感心するが、恐怖をも覚える。
霊鳥という姿は、山にこそ似合うのだろうか。真夏が近づき、最近は蠅が見かけなくなったと思う。団子虫も随分見ていない。鴉は毎日我が家周辺も見かける存在。

昭和9年湘南瀬の海愛護のため、夜焚き網撤廃。篝火やサーチライトで魚を捕獲した漁のことだろうか。愛護とは漁獲のとりすぎを規制のためだったのだろうか。何か灯火管制という時代を連想してしまった。此の町の正月行事、どんど焼きの左義長の火は、対岸の大島でもよく見えるという。

昭和11年鰤5000尾の大漁、一尾一円七十銭で仕切り。
此の年の平均賃金(日給)は、大工が一円九十九銭、左官二円二十銭、紡績女工七十三銭という。シネマは30銭、ラジオ聴取料五十銭というのが面白い。日当で鰤一尾。

鰤の目に鴉の神託夏が行く
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