五月十二日

薔薇という漢字は美しい、複雑な構造は花の構造からきているのだろうか。薔薇の薇の部分は棘という文字を連想させる。薇はゼンマイとある。薔は草の名とある。薔薇の香りは育つ風土で異なるようだ。深い香りが育つ風土は薔薇の産地なのだろうか。
先日三島に出かけクレマチスの丘で撮影した薔薇。

昭和55年（1980）この町にあるエリザベスサンダースホームの園長、澤田美喜さんスペインマジョリカ島で逝去78歳。今から35年の昔。
彼女はバスタブにコティの香水瓶一本を注ぎ込んで入浴したという。隠れキリシタンの遺物を収集され、現在大磯町駅前にある旧岩崎別荘のあった敷地に展示館を建てられている。
九州に遺物を収集に出かけられ、千人塚というゆかりの地を訪ねた際、ハイヒールを脱ぎ、藁草履に履き替えられて塚をお参りされたという。塚の周辺には多くの人々が大地に眠っているからだという。そんなお話を教会の御堂守りをされているお方からお聞きした。尊い話である。澤田美喜さんは戦争孤児達を2000人近く、母のように育てられ、子供達からママちゃまと呼ばれ、慕われていたという。そのママちゃまの命日を偲び、先日の母の日の日曜日に、卒業生達が教会にお参りに集まられたという話を風の便りに聞いた。