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十一月十日 [写真]

1932年製のカメラでフィルムを使って撮影した画像を見つめると、フィルムの上の粒状性物質が何か気配として気になる。印刷の網点とも違う粒状性。画面を構成するエレメントだからだろうか。
事実を英語では、FACTという。ファクターは要素となり、事実を構成する数々のエレメントだ。
光という現象を、化学処理で顕す、写真術という奥域に惹かれる。

           



             光の粒子が晩秋を駆逐し始めていた  ムオン





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          香りか匂いか冬の気配の松並木   ムオン






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          1932年の光捉えし暗箱に秋    無音






宿場祭りにて .jpg





           鮮やかに80年の明暗を結ぶ秋    むおん








十一月九日 [水]

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先日箱根仙石原で見かけた光景。秋の日差しで何か今までに見たこともないような光景。
川は彼岸をも垣間見せてくれるのか。箱根堂ヶ島でデジャブ坂という興味深い道を歩いた。いつか来たような道またはいつか歩く道。

水の惑星は美しい。

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              過去も未来も水で洗って流す秋   むおん








  








十一月八日 [写真]

1932年製のカメラとレンズで鎌倉で試写をしました。
この人力車は最近の製造なのでしょうが、今から83年前にもこんな真新しい人力車が走っていたかもしれません。奥には古い建物の鎌倉ホテル、試写には最高の条件でした。フィルムは現代のものですが、その撮影後の描写に吃驚。遜色ない世界が再現されていました。フィルムの粒状性と空気感の存在素敵です。

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           流れる気体こころしてとる秋    むおん







十一月七日 [月]

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昼間の白い月を望遠レンズで収めた。昔ならこんな望遠レンズを手持ちで撮影はできなかった。
手ぶれ防止装置というカメラの機構も凄い。加減の月か 上弦の月か 三日月ではない白い月。
晩秋の天空浮かぶ、儚く淡いシャーベットのような月。


      


           はるかより真昼の月を見る時代  むおん






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真昼の雲は見慣れているが、月夜の晩の雲の流れを見るのも好きだ。夜は何も見えない世界でなく何か心の中のものが見えてくる時間でもあるのだろうか。目を凝らし夜に慣れることをずいぶん忘れてしまっている気がする。真の闇から遠ざかったせいだろうか。






             はぐれ雲産みだす秋の雲海だらけ  ムオン








十一月六日 [色]

久しぶりにベスタンフード外しで、ソフトフォーカスの世界を撮った。
30年以上前に見たモノクロームのフランス映画、ルノワールの世界は「ピクニック」というタイトルだったが、まさにその世界。

軟焦点レンズ(Soft Focus Lens )とは、一般の写真レンズが各収差を可能な限り減らしてシャープに写るように設計されているのに対し、故意に収差を残し、ピントが合った像が軟かいものとなるように設計されている写真レンズである。ピントの芯がちゃんとあり、その周囲に滲みが現れる点がピント外れとの違いである。

丹沢のダム公園の紅葉は今年はいまいちだったが、イチョウの葉は鮮やかな黄色だった。光りの饗宴をしばし楽しんだ午前中でした。

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           夢の秋溶けゆく時や蜻蛉國     むおん










十一月五日 [山]

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仙石原高原のススキを遠望した。ススキ野原の中央に大きな遊歩道が作られ何か巨大な溝のように見える。この溝がなければススキ野原は何か自然に見える。自然を求めて人々が集まり何か自然でない光景を作り出す。この広大なススキが原も人間の手によって作り出したものなのだろうか。

観光する人々の多さに、ふと「二つの観光」という最近読んだデータを思い出した。今から百年くらい前の日本と台湾、二つの国は二つの観光が存在したという。一つは台湾から少数民族の指導者たちが植民地統治国の日本へ、その国力を見せつけより強力に支配するために、日本への観光をするよう招いたという。少数民族の指導者たちは日本という国をどう見たのだろう。その指導者の一人モーナ・ルダオは日本の圧倒的な人間の数に驚いたという。河原の小石のように数え切れない人間が都市という世界にいる。この数の多さには、自分たち少数民族では到底太刀打ちできないと思ったという。
そして彼の故郷台湾の自然の美しさを求めて日本の文化人や教養者が、台湾の観光を楽しんだという。
二つの観光は、今の世界でもどこかで行われているのか。ふと気になった。
工場視察や工場見学、都会の整備状況視察の人々の話はよく聞く話ですが。

もう一つ、旅とは知らないもの未知なるものに出会うこと、といった側面以外で、自分と同じ世界に出会う喜びというエッセーを読みました。知らないことに出会うこと。知っていることに出会う喜び。
世界に同じように喜びや悲しみを共有
していることを体験できる旅、どちらも旅の醍醐味と感じます。
小さな散歩でも、何か遠い世界にやってきたような思いを描くことがあります。

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            秋へと車冬へと人の群れ急ぐ  むおん













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十一月四日 [光]

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今朝は箱根仙石原のゴルフ場に立ち込める朝霧を見た。霧の中に樹木が霞む。霧は山間を登り始め、朝日に輝く尾根から降りてくる朝焼けの中に消えて溶けていく。幻想的な美しさだ。
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           霧に現れる紅葉の頂の下森の闇  ムオン











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十一月三日 [旅]

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今日十一月三日は、箱根湯本で大名行列が開催されたそうです。賑わう湯本の町を通過して仙石原にいます。ススキの高原は凄い人出でした。

十一月二日 [光]

LEDの光なのですが、笠が昔の蠅帳なので何か温かみを感じます。
時々点灯して秋の夜長を楽しんでいます。



      


              蠅帳や秋の帳を思う蠅   む お ん




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※ 蚊帳のカーテンは冬には寒いのですが青の暈しが好きなので一年中今を守ってくれています

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           蚊帳ありて秋の蚊やさしう泊りけり  ムオン






十一月一日 [鳥]

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今日は一が並ぶ日。カラスのカアで一日が始まった。




黒き鳥夜明けの幕を秋に曳き ムオン








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