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3月21日 [月]

「朝鮮と日本に生きる 済州島から猪飼野へ」金時鐘著を読んだ。2015年大佛次郎賞を得た本だ。
今日、世界遺産(自然遺産)の島として観光やゴルフで有名な済州島で、1948年4月3日から1954年9月にかけて何が起こったかを知る人は少ないだろう。私もまた、事件とも蜂起とも共産暴動とも呼ばれ、今なお韓国(朝鮮)最大のタブーとされるこの出来事について、ほとんど知るところはなかった。それには戦前の日本の植民地政策が深くかかわっていた。この一冊でその歴史的経緯や意味がすべて理解されうるわけではないが、そこにそういう問題があった(今もある)ということを気づくことはできる。

そして四月三日からの四三事件を映画化されたものも話題になったようだ。多くの犠牲者はその数の多さでなく、島の歴史と同じ国民同士の殺戮の悲惨さにある気がする。歴史の事実の全てはいつの世もわからないが、そこに触れることが少しでもできる本に出会えたことには感謝をしたい。
1年前に図書館で購入された本なのだろうが一年間読まれていなかったように見事に新本のままだった本の表紙が、何かこの本の存在を表しているように思えた。

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  春の空真昼の月の貌しろし   むおん

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  名も知らぬ花の下なる春の影  むおん

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3月20日 [山]

数日前に隣町から見た富士の光景。河原には一面の菜の花、菜花、黄色い帯。家々の屋根の上から白い貌の富士山。

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3月19日 [花]

湘南のこの町で一番に咲く一番桜、開花五分咲き。道行く人は真上に枝があるため花が散り始めてわかる。見上げれば花は五分咲き。山桜か白い。
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沢田美喜記念館の屋根が近い桜。



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山の空気も春、山が微かに笑い出した。

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ヒヨドリが白木蓮の花を食べる。花喰鳥か。

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 山笑う攣られて花も花開く  むおん









3月18日 [花]

あるベテランの役者が70余年、芝居をしていて、忘れられない感動があるという。最前列の客席で、一人のうら若い女性が下を向いて居眠っている。俳優たちも皆この女性を気にしていた。
  やがて芝居が終わり、私たちは、客席に向かってご挨拶をした。
   何ということだ!拍手を送る彼女の両眼は閉じたままーー全盲の女性であつた。私は溢れる涙をこらえた。
たまりかねて私は舞台から駆け下りて彼女の前にしゃがみこむと、美しい手をとり、何度も「ありがとう!ありがとう!」と礼を言った。役者の名は森繁久彌。美しい手だけが役者の言葉の上滑りの様に聞こえてきてしまうのだが。

昨日の三人の親子ずれ、三人とも心の全盲者だと知った思いです。

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追伸   昔歌舞伎座に玉三郎の芝居を観に出掛けました。最前列の席から玉三郎氏と目が合ってしまいました。何か気まずい瞬間で、どうしようもなく恥ずかしい気分でした。役者は、今日の客の、乗りを感じながら演技しているという当たり前の事が、森繁さんの話から今わかった様な気がしします。

役に浸りきる役者、何処かで冷静に今という時間を意識している役者。どちらもが交互に役者の中の時間を流れているのでしよう。
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冒頭のお話、幕が下りて、今日は居眠りの客に最後まで付き合わされたと、全盲のお客様を気づかずに終わるケースもあるだろうと深読みしてしまいました。最後までお読みくださり、本当に『ありがとう』
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世界は多面的にみないと真実は
わからない。!

3月17日 [人]

朝掃除をしていたら、アクリルの樹脂の破片が出てきた。阪神淡路震災の折、あの朝は加古川市のホテルに泊まっていた。月曜日の朝だった。深い眠りの中で部屋のテレビがひっくり返り、床に画面を伏せていた。激しい揺れに、まさか関西に来て地震がと疑った。部屋を出てロビーに降りた。無人のロビーに一面光るものが落ちていた。燻んだ絨毯の上からその光るものを二つほど拾い、ポケットに無意識にいれた。ロビーの電話から神奈川の家に電話して、大きな地震があったが無事なことを伝えた。その日時間が経つほどに電話は混雑のため繋がらなくなった。その後滞在したホテルも神戸からの避難の人たちの予約で満室の日が続いた。

あの日のかけらが、で出てきたのだ。シャンデリア風の照明の一部が落下して破損したかけらなのだろう。

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あの日の前日の夕方山陽本線で加古川に向かう列車の中で、三ノ宮駅で降りた家族の事を思い出す。ボックスシートに両親と小学校高学年くらいに見える少女の三人と同席した。大阪駅辺りから乗ってきた家族は住宅展示場の話をしていた。展示場の紙袋も持っていた様な記憶がする。何気ない会話の端々からこれから家族が家を建てるのかなと思った。あの地震にあの家族はどこで遭遇し今はどうしているかとふと思う。行きずりの人との会話もしない出会いとも言えない様な出来事なのだが。

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昨日ショッピングセンターに出かけ、何か悲しい気分になった。
母親と女の子の姉妹の三人連れが、夫婦でベンチに座る我々の前を通り過ぎた。数メートル先にピンクのダウンが万歳をする様に落ちている。思わず「落とさなかった?」と三人の背中に声をかけた。30くらいの母親が「何やってんのよ!」と振り向いて7歳くらいの妹の方に声をかけている。妹は面倒くさそうにもどつて来てダウンを拾う。ベンチの方の私を見て、変なおじさん!といった様な態度で、姉を見る。姉の方の眼は、一緒に座っていた家内を睨みつける様に去って行ったという。
彼ら三人に唖然とし、悲しくなった。
たった一言の言葉が、世界を明るくすることを、あの三人に話しかけたかった。「ありがとう」と。
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ありがとう とは漢字で有り難うと書く。有難いものは、満ちあふれた物質文明では、有難いという気持ちが無くなのだろうか。

3月16日 [アート]

image.jpeg南アフリカ原産のメセンという植物に、最近妙に惹かれるものがある。小石の様な奇妙な形態。本当の小石何粒かと植えてみた。
ウィキペディアには、以下
この植物群の大半がメセンブリアンテマムMessembryanthemum属に分類されていたことによる。これらは、日が当たると開花し、日陰や曇天、夜間などは花を閉じることから、はじめ「真昼の花」という意味でMessembrianthemumと名付けられたが、その後、夜間にも開花するものが発見され、「中程度の果実の花」の意味のMessembryanthemumに改められた。長い名前のため、日本ではメセンと略称され、「女仙」の漢字が当てられたが、これはサボテン(漢字で「仙人掌」と表記)がとげに覆われていて男性的なのに対し、メセンはすべすべした肌で、様々な紋様で装い、女性的なところから、「女性的な仙人掌に似た植物」という意味で、つけられたものである。

松の盆栽も育てているが、黒松から赤松へ嗜好が変わってきた。
メセンも赤松も平和志向なのかな。

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3月15日 [世界]

黒船が日本に来た時、ペリーは二本の白旗を海岸に立てて立ち去ったという。
二本の白旗に込められた意味は何だったのだろうか。
アメリカと戦えば、日本は必ず白旗が必要になる。砲艦外交の象徴的な一件として記された、白旗。
当時の日本人に、白旗の意味を知っていた人々は、どれだけいたのだろうか。
日本史上に知られる降伏を意味する白旗としては、戊辰戦争での会津藩、太平洋戦争末期の沖縄の少女が揚げたものと「白旗伝説」の著者松本健一氏は語る。
日本政府は、太平洋戦争ですら、実際に白旗を掲げたことは一度もなかったという。本当なのだろうか。無条件降伏とは白旗を揚げたことでは無かったのか。謎が残る。黒船以来から靖国神社の歴史も始まっていることに何かこの国の転換期の時代を強く感じる。
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国際法つくりし国と強き春 むおん




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3月14日 [世界]

AI(人工知能)は世界を覆い尽くしていていく。それは不可避である。シンギュラリティ論者は明るい未来を謳い、驚異論者たちはディストピアを予告する。それは鏡の裏表の世界なのだろうか。

昨日、コンピュータと人間の碁での戦いがあった。10の何十乗という予測の中からデイープラーニングを重ねたAIが勝利する世界。今も急速にこの世界は地球を覆う。戦争の国にも今は平和な国にも、すべての世界に影響力を発揮する怪物なのか。

今世紀が終えるまでに現在の7割の職業がオートメーションで置き換えられるという。今から200年前にはアメリカの労働者の7割が農園で働いていたという。凄まじ勢いで人間の職業はロボットに変わられていく。新たな職業が生まれそれもロボットに変わられていく。人間の本当に必要な仕事を探す手伝いを、今までの我々の仕事を肩代わりしてもらい探していこう。

WIRED VOL.20 特集 人工知能はどんな夢を見るか 未来都市の作り方 から

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  未来はなぜか懐かしい 過去はいつも新しい

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   新しい過去を探して自分が生まれた頃のカメラをヤフオクで求めた

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1950年生まれのドイツコダックのクラシックカメラ、RETINA013モデル。冷たく角ばった金属の箱にズシリとした重み。革張りが手にぬくもりを与えてくれる。昔はなぜか新しい!

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蛇腹の胴が静かに扉を開けるような動作で繰り出してくる。精密なカラクリ機械。
距離計も露出計もましてやオートオーカスも搭載していない、世界で初めて35ミリフィルムをパトローネに収めて使用できたカメラ。何かとてつもなく美しい。

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手持ちのiPhoneで、レチナの使用方法を探す。アプリに距離カメラという距離測定ができる無料アプリを入れる。序でに露出計アプリも二つほど入れる。昔は確かに新しい。大型のカメラの時代から小型で移動や持ち運びが簡単なカメラの時代に半世紀以上前から進化を重ねた。

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  人はシャッターを切る前にと、その後にい多くの時間と頭を使った。それでも大した写真が撮影できるとは限らなかった。多くの失敗の世界から、今では失敗がない世界へ移ってきた。

 それでも自然界や世界の全てを人は制御できない。終わらない戦争。トイレのない原発。経済のコントロール。国民の統制。総ては想定外の世界のが無限に多い。

 



          AIを生み人間の願う星は春   むおん





3月13日 [光]

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光と影に接近、白の上の白。

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いつか白い名刺という作品を作りたいときがあった。

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     光が傷つき闇が癒す春        む お ん







3月12日 [花]

image.jpegimage.jpeg花影とは、花を透かして落ちる影のか、花が照らす光なのか。影と光は花あつて作りだされる。

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