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10月14日 [俳句]

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先日久保田万太郎さんの俳句で、おんなかんな女かんなの寒さかな
という句を思い出した。何か不思議なリズム感の句なので気になっていた。
青空文庫に、ずばりカンナとオンナと題した、陶芸家の魯山人のエッセーがあつた。
詩人の前で、削り節を削る魯山人。
オンナカンナと呟く詩人。詩人は万太郎その人ではないだろうか。
以下 青空文庫より

わたしはビールを飲む。詩人はウイスキーを飲んでいる。わたしは、出来上がった料理にかけるため、かつおぶしをけずる。カンナを使ってけずる。詩人は、目を見張っていう。「先生、ずい分、立派なカンナですね。まるで、大工が使うような、カンナですね」「これは、大工たちが使うカンナの中でのいちばん上等だよ」「へえ、もったいないですね」「どうしてもったいないのだ」わたしは、不思議そうに詩人を見た。"

「そうですかね。先生、オンナも、カンナと、同じですね」「どうして」「いい女房をもらっておけば、一生味がよくて経済的ですね」「ハハ……なるほど落語の落ちだな。オンナとカンナと似ているね」わたしはビールを飲んだ。詩人はウイスキーをなめつつ、「オンナとカンナ」と、うたうようにいった。"




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